酵素を知って乱れた食生活を改善! 健康であり続けるための食事とは?
公開日:2017/12/11
体や健康によいとされるモノはさまざまありますが、昨今、ドリンクやサプリでよく目にする「酵素」もその一つです。人間の体内では、何かの飲み物や食べ物を口にした場合に、その消化や吸収のために働くという重要な役割を担っています。
そして、日々の生活で「酵素が多い食材を毎日取り入れ、さらに酵素をムダづかいしないライフスタイル」こそ現代人にとって必要だと提案する本が『酵素で腸が若くなる』(鶴見隆史/青春出版社)です。栄養の消化や吸収を担う器官である腸と酵素の関係を中心に、どのような食生活を送るべきかを分かりやすく伝えてくれます。
■免疫を司る“腸”の働きを支えるのが酵素の役割
酵素はそもそも人間の体内で無数に存在しているもので、年齢を重ねるにつれて徐々に減少していきます。消化や代謝を助ける触媒として機能するものであり、それ自体が変化するわけではありません。ただ、たんぱく質を主成分として新陳代謝が行われるからです。そして、老化によって酵素生産能力が低下し、減少していくと言われており、体内での量により人間の寿命が分かるという研究結果もあります。
また、酵素は全身の免疫を担うという腸とも深い関係にあります。私たちは日々摂取するさまざまな食べ物から栄養を取り入れていますが、それらの消化や吸収を司るのが腸の役割です。近ごろ「腸内環境」という言葉もよく耳にしますが、それはまさしく健康のバロメータとして大切だからです。
その機能を維持するために欠かせないといわれるのが、酵素や食物繊維がたっぷり入った食べ物。なかでも食べ物を分解する役割のある「消化酵素」や、さまざまな生命活動を支える「代謝酵素」は、健康を保つだけではなく、体の衰えを抑えるためにも必要なものとなっています。
■1日の中で酵素のサイクルを意識して食事を摂るのが大切
本書では、体に「よいものを入れ、悪いものを入れない」というのが健康の基本であるとされています。ここでいうよいものとは、まさしく酵素がたっぷりと入った生野菜や果物です。さらに、これらに含まれる水溶性食物繊維が腸内で分解されてできる「短鎖脂肪酸」も、免疫力を高めるには欠かせません。
では、どのように酵素を取り入れるべきか。著者がおすすめするのは、酵素の宝庫である発酵食品を摂ることです。酢や日本ならではの漬け物、味噌、しょうゆ、納豆といった植物性の乳酸菌が豊富に含まれている食品は、腸内環境を整えるのに役立ちます。
また、人間の体における酵素の量には、一定のリズムがあります。24時間のうち4時〜正午が「排泄の時間」、正午〜20時が「栄養補給と消化の時間」、20時〜4時が「吸収と代謝の時間」にあたることが、酵素栄養学により明らかにされています。
このサイクルをふまえて、朝は消化酵素を多量に必要とする加熱した食事を避け、フルーツや野菜さらだなどの生食を意識する。昼は生のものを6割、夜は最低でも生のものを3割を目安に、腹八分目を心がけて食べ過ぎに注意しながら食事を摂ることを著者はすすめています。
食事は人間にとって欠かせないものですし、また、1日の活力にも繋がる楽しみの一つでもあります。ただ、乱れた食生活を送ったり、暴飲暴食をしてしまえば本末転倒。健康を維持し、いつまでも若々しくいられるよう本書を参考に日頃の食生活をぜひ見直してみてください。
文=青山悠
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