賢い子どもは、パン、白米、お菓子を食べ過ぎない!? 食事の見直しで成績がのびる!

出産・子育て

2017/12/14


「健康で賢い子どもに育ってほしいと願うのは、親の共通した思いでしょう。しかし、アトピー性皮膚炎やADHD(注意欠陥・多動性障害)、引きこもり、成績不振など、親の悩みは尽きないのが現実です。その大きな原因に糖質に依存した食生活があります」
 と、糖質制限の指導をすることで糖尿病や認知症など中高年の病気や、子どものADHDや自閉症、アトピー性皮膚炎などの改善で実績を上げている、医学博士の白澤卓二先生は指摘します。

「私のクリニックの近くには、大手の塾や予備校がたくさんありますが、そこに通う子どもたちのコンビニの袋の中身を見て驚きます。菓子パン、おにぎり、スナック、甘いデザート、清涼飲料水など。これでは食後すぐ眠くなり、志望校に受かるのはむずかしいでしょう」
 白澤先生は、このままではいけないと、この度、子どもの食生活の見直しの提案と、健やかな子どもの発達と成績アップについて本をまとめました。


■糖質制限をすると、脳や体に大きな変化が起きる!

 私たちはご飯やパン、めん類に多く含まれる糖質を主なエネルギー源としています。脳もその例外ではありません。ところが、この糖質が脳のパフォーマンスを低下させたり、アトピー性皮膚炎などの炎症をともなう病気、すぐにキレる性格の原因にもなっているというのです。

「今回この本では、中学1年生と小学4年生の兄弟に、1カ月間、ごはんやパン、甘いお菓子、スナックなどを控える糖質制限に加えて、良質な脂質やたんぱく質をとる食生活をしてもらいました。すると、2人とも頭がスッキリして、勉強に対する集中力や認知能力がアップしました。学校や塾での成績が大幅に伸びたのです。さらに、アトピー性皮膚炎や鼻炎などに悩まされていましたが、糖質制限をすることで改善しました」と白澤先生。
 糖質制限をするときに、小麦粉を控えるグルテンフリー、牛乳を飲まないカゼインフリーを加えるとなお一層、効果がアップしました。

■糖質制限をしたうえで、脂質をたっぷりとると……

 エネルギー源である糖質をとらないと、かえって脳のパフォーマンスが落ちてしまうのではと心配になります。もちろん、糖質制限をしただけでは、脳も体も正常に機能しなくなってしまいます。
 そこで大事になってくるのが、糖質制限をしてうえで脂質とたんぱく質を積極的にとる食生活に切り替えることです。

「脂質をとりすぎたら、肥満児になったり、子どもうちから生活習慣病になったりするのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、白澤先生によると、糖質のとりすぎこそが、肥満や子どもの生活習慣病の原因だといいます。それどころか、脂質をとることで、集中力や認知能力がますといいます。
 そのわけは、脂質をとることで体内に増える「ケトン体」という物質にあります。ケトン体が、糖質制限をして減少したブドウ糖の代わりにエネルギー源となってくれるのです。しかも、ケトン体はブドウ糖より優秀なエネルギー源であることがわかっているといいます。


■賢い脳はお母さんのおなかの中でスタートする

「お母さんのおなかの中で育つ胎児や、新生児のエネルギー源はブドウ糖ではなく、ケトン体なのです。ですから、私は、妊婦さんや授乳中のお母さん、糖質制限をして脂質をとる食生活を勧めています」
 と話すのは、不妊や妊娠糖尿病に対して糖質制限による管理を行うことで成果を上げている、産科医の宗田哲男先生で、この本にも寄稿しています。

 さらに、離乳期を迎えた赤ちゃんにも、おかゆではなく肉やチーズに、卵など、脂質を多く含む食品の離乳食を食べさせるように指導しているといいます。こうした離乳食で育った乳幼児は、発達がよく、性格が穏やかで、明るく、落ち着きがあり、アトピー性皮膚炎などの病気になることも少ないといいます。
「ケトン体は、命を脅かす危険な物質ということを言う人がいます。しかし、胎児や乳児のエネルギー源になっているのですから、ケトン体は危険な物質どころか人間にとって、とても有益なものです」と宗田先生は言います。

■お肉や魚、豆腐や納豆をとろう。良質なたんぱく質が免疫力を上げる!

「脂質を積極的にとると同時に、肉や魚、豆腐や納豆などに含まれる良質なたんぱく質、そして、野菜やきのこ類、海藻類、果物などに含まれるビタミンやミネラルを積極的にとってください。免疫力がアップしておどろくほど体がじょうぶになり、アトピーなどのアレルギー疾患とさよならできるはずです」と白澤先生。

 健康で賢い子どもを育てるには、糖質依存の生活をやめて、良質な脂質とたんぱく質、ビタミン、ミネラルを積極的にとることが、いかに大切かがわかります。さらに、加工品もなるべく避けることもすすめています。

■ココナッツオイルが脳のパフォーマンスを上げる

 入学試験まであと1週間とせまったときの秘策があるといいます。
「ココヤシからとれるココナッツオイルを、朝食時に温かいコーヒーや紅茶、ココア、豆乳などに溶かして飲ませてあげてください。ケトン体が素早く作られて、今まで以上に脳のパフォーマンスがアップします」と白澤先生はアドバイスします。


『Dr.白澤の 頭は1日でよくなる ケトン食でできる子に』(主婦の友社)では、勉強が好きになる食生活の基本や、試験1週間前のレシピ、当日の食事の知恵なども紹介しています。たった1日でも脳の働きに効果のある方法を、ぜひ試してみてはいかがでしょう?

イラスト=浅生ハルミン