「笑える鬱屈」、坂口安吾の饒舌であらくれの世界

小説・エッセイ

2012/2/19

坂口安吾ほど「鬱屈」という言葉の似合う作家はいない。井伏鱒二ふうにいうと「思いぞ屈せし」というやつである。だがこれは、退屈や難解をそのまま指しはしない。 安吾文学の本質は「痛快」である。 人生や青春や生い立ちや他者や、ありとあらゆるものが苦悩となって安吾の上にのしかかり、その質量の膨大さからあたかも重すぎる星のように... 続きを読む