仕事の「見えない報酬」に気づくと何かが変わる! 見えない報酬の5つの効能

ビジネス

2018/4/26

『楽しく生きよう よく遊び よく働け 想いを形にする仕事術』(三谷浩之/現代書林)

「あなたは自分の仕事や働き方に、100%満足していますか?」

 この質問に自信を持って「Yes」と答えられる人は、そう多くないはず。上司からの納得いかない指示、取り引き先からの突然のお願いなど、自分に無理を強いながら日々働いている。そんな人が多いのではないだろうか。そして、どうすればそういう状況が良い方向に変わるのか、きっかけが見えずただ漠然と悩んでいるという人もいるかもしれない。

 自分の働き方、あるいはもっと広く生き方に変化をもたらしたいと思っている人に手に取ってもらいたいのが、『楽しく生きよう よく遊び よく働け 想いを形にする仕事術』(三谷浩之/現代書林)だ。著者は、総合建築業でトップセールスマンとして活躍したあと、四国の有力建設会社で会社経営のノウハウを修得。2015年に独立し、企業だけでなく地域を豊かにすることを視野に入れ起業。理念を重視する経営に徹することで、創業1年目から社員ひとりあたり1億円以上の売上高という生産性の高いビジネスを展開してきた人物だ。本書には、著者が提案する仕事観や企業としての取り組みがくわしく紹介されているので、自分の人生を切り拓こうと考えている人のためのヒントがたくさんある。

■あなたはいま楽しく働いていますか? それとも……

 仕事はどこまでいっても仕事だが、「楽しみながら働いている人」と「お仕着せで働かされている人」とでは、自ずと満足感は違ってくる。だから著者はこう訴えるのだ。

「人生の時間の中で仕事の占める時間は多い。だから、そこを楽しくすれば人生は楽しくなるというのは理論的に正しい」

 では、仕事を楽しくするために必要なのは、どんなことだろうか?

 その答えは、「仕事とプライベート」をふたつに分けてしまうのでなく、「家族も友達も趣味も仕事も……」と、すべてを同列のカテゴリーでとらえることなのだという。そうとらえると「仕事が忙しいので自分の時間がもてない」というネガティブな考えがまずなくなり、「仕事の時間も自分の大切な時間の一部なのだから、前向きに仕事に取り組もう」という発想が生まれてくる。

 このようなスタンスに立てば、仕事に対するモチベーションの高さも、取り組み方自体も大きく異なってくることは想像に難くない。そして、その差がその人のパフォーマンスの差を生み、人生全体に影響を及ぼしていくということも、イメージしやすいだろう。

 考え方ひとつで、仕事は自己実現を果たすための楽しいものにも、あるいは嫌々向き合う面倒なハードルにも変化する。ページをめくりながら、そんなことに気づいていく。

■「目に見える報酬」と「目に見えない報酬」

 もうひとつ、本書で得られる大きなヒントを紹介したい。それは「仕事で得られる報酬は2つある」という考え方だ。
 我々が仕事をするのは、金銭的な報酬を得るためだ。それは当然の前提としたうえで、著者はさらにもうひとつの報酬を挙げている。それは「目に見えない報酬」だ。

 目に見える報酬の代表格が金銭だが、目に見えない報酬とはいったい何だろうか。著者は次の5つを挙げる。

・学びや出会いがある
・仲間との貴重な関係ができる
・お客様に喜んでもらえる
・職業人としてのスキルが身につく
・作品として自分の仕事が世の中に残る

 こうした目に見えない報酬は、仕事を通してしか得られない。そして、この目に見えない報酬を積み重ねていくことが自分のキャリアアップにつながり、人生を豊かで楽しいものにしていく。

 我々は「給与が少ない……」などと報酬に対する不満を抱きがちだ。だが、仕事の経験から目に見えない報酬も得ていることを実感すると、仕事がいかに自分を成長させてくれるものなのかと気がつくこともできるだろう。

 本書はこのように、我々が毎日向き合っている仕事に関する新しい「気づき」を与えてくれる。まだ社会に出て働き始めたばかりという新人サラリーマンにも、あるいは自分の組織を率いる経営者にとっても、それぞれの立場で新しい発見があるだろう。「第1章 サラリーマンから12年目で起業家に!」から「第2章 報酬のための『仕事』、楽しむための『仕事』」は、若い世代の社会人に。また、「第3章『今から100年続く企業』を創るために」から「第5章 目指せ!『生活総合支援企業』」のテーマは、会社経営者や起業をめざす人にとって、貴重なアイデア源となるはずだ。

 いま毎日の仕事や働き方に悩みを抱えている人、あるいは新しい自分なりの一歩を踏み出したいと期待している人ならば、転換のきっかけとなるキーワードやテーマを見つけ出せるだろう。

文=井上淳