『大水滸伝』を完結させた作家・北方謙三、待望の新作! 稀代の英雄チンギス・カンの生涯を描く『チンギス紀』1・2巻同時刊行

文芸・カルチャー

2018/6/6

『チンギス紀 一 火眼』(北方謙三/集英社)
『チンギス紀 二 鳴動』(北方謙三/集英社)

 約17年という歳月をかけて『水滸伝』『楊令伝』『岳飛伝』の3作から成る全51巻「大水滸伝」シリーズを完成させた北方謙三。同シリーズは累計発行部数1100万部を突破し、熱烈なファンを数多く抱える大ベストセラーとなった。そんな北方謙三の新たな歴史大河小説として2017年より「小説すばる」で連載がスタートした作品が『チンギス紀』。この度、その単行本第1巻『チンギス紀 一 火眼』・第2巻『チンギス紀 二 鳴動』が同時刊行! タイトルからわかるように本作は、ユーラシア大陸を人類史上最大規模の広域にわたって支配したモンゴル帝国の初代皇帝チンギス・カンを主人公にした物語だ。

 チンギス・カンは12世紀半ば(生年不詳)にモンゴル族キャト氏、イェスゲイの長子として生誕。テムジンと名付けられた。1206年、モンゴル草原の諸部族の統一を果たしたテムジンはモンゴル帝国の支配者、チンギス・カンとして即位。以降、ユーラシア全域に次々と版図を広げていき、一代にしてかつてないほどの強大な帝国を築き上げた英雄として知られている。

 北方謙三の『チンギス紀』では、モンゴル族の13歳の少年テムジンがひとり、故郷を出て砂漠を越えようとするところから始まる。モンゴル族を束ねるはずだった父の急死により、テムジンのキャト氏は衰退し、入れ替わりに台頭してきたタイチウト氏と敵対。さらに、ある事情によってテムジンは異母弟を討ち、禁忌を犯したとしてタイチウト氏から追われる身となっていた。砂漠を南に越えた国、金にたどり着いたテムジンは書肆(しょし)と妓楼(ぎろう)をしている蕭源基(しょうげんき)と知己を得る。そこで歴史書『史記』に触れ、幾人かの男たちと出会い、やがて従者ボオルチュを伴って父祖の地に帰っていく。一族の長としてキャト氏を再興する――まだ何者でもない若きテムジンは、その目標に向かって自らの旗を掲げる。そんな彼にどこか共鳴するものを感じた者たちが、少しずつ旗のもとに集結していく――。

 第2巻にしてテムジンは自分が何をすべきか考えながら、ようやく自分の存在を知らしめるべく行動を始めたばかり。戦にも決して強いわけではない。モンゴルを統一する草原の覇王への道程はまだ果てしなく遠く、ユーラシアの支配者たるカリスマも発現していない。しかし、後に勇名を轟かせることになる最強の騎馬軍団と鉄製武器を生み出すための種はまかれ始めている。強烈な個性をもった魅力的な人間による建国と戦いの熱く感動的なドラマを紡ぎ続けてきた北方謙三が、テムジンと仲間たち、そして敵をどのように描いていくのか。これから大きく動き、飛躍していくであろう帝王の物語に期待は高まる。「大水滸伝」シリーズとのつながりは果たして現れるのか。視点を蒙古とユーラシアに移して、北方謙三が紡ぐ男の物語はまだまだ続き、その世界を大きく広げていく。

文=橋富政彦

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