「極道×子育て」で大人気のBL小説『極道さんはパパで愛妻家』 意外な組み合わせのカップルが、心温まる恋愛と家族の物語を紡ぐ!

文芸・カルチャー

2018/6/11

 お医者さんと極道さんが子育てをする。しかもそんな極道パパは、実は飛び切りの愛妻家。そんな不思議な関係性を描いた、今注目を集めているBL小説『極道さん』シリーズの魅力を今回ご紹介したい。

 物語は、雨宮医院の跡取り息子・佐知が、「ついに俺達の子供ができたぞ!」と幼馴染の極道・賢吾から、爆弾発言を受けるところから始まる。賢吾に連れてこられた子供・史(ふみ)は、賢吾の父・吾郎の隠し子なのだが、母親を亡くし天涯孤独になってしまい、とある事情から賢吾に引き取られることになったのだ。

 もちろん極道の若頭である賢吾に、子育てのノウハウがあるはずもなく、幼くして母親を亡くした史のために、佐知はやむを得ず賢吾と同居して、子育てを手伝うことに。戸惑う佐知を尻目に、賢吾は満足げに佐知を嫁扱いしてくるが、食事をしたり、お風呂に入ったりと、一緒の時間を過ごすうちに、3人は次第に本物の家族のようになっていく。

 長年、佐知に片思いをしている賢吾は、ことあるごとに佐知を口説くが、肝心の佐知には冗談だと思われて相手にされない。けれども、佐知には「やくざ」の賢吾を好きになれない事情があり……。この素直に「好き」といえない佐知が、史を通して賢吾と一緒の時間を過ごすうちに、想いを自覚するようになるのだが、その心情がとても丁寧に描かれている。

 男同士、しかも極道と医師という一見、アンバランスなカップルが、子育てを通して、それぞれが成長する姿には、きっと性別を超えて共感するだろう。そして、血の繋がらない三人が、ぶつかり合いながらも、相手を許し、受け入れることで、次第に愛情や絆を深め、一つの家族になっていく様子は、感動的を覚えること間違いなしだ。

 6月1日にはシリーズ第5弾となる『極道さんは新婚旅行でもパパで愛妻家』が角川ルビー文庫より発売となる。恋人として、家族として絆が強くなった3人が、初めての家族旅行に行くことになるが、あるトラブルに巻き込まれ……? 今後の展開からも、ますます目が離せそうにない。

『極道さんは新婚旅行でもパパで愛妻家 (角川ルビー文庫)』(著:佐倉温、イラスト:桜城やや/KADOKAWA)

 また、5月30日からこの『極道さんはパパで愛妻家』のコミカライズ連載が電子版CIELにてスタートする。3人が本物の家族になっていく姿はもちろん、ある意味、両片思い状態の二人が、長年の想いに決着をつける第1巻の内容が描かれるとのこと。しかも同作のイラストを担当し、BL界で人気のイラストレーター・桜城ややがそのまま作画を行う。

 テンポのよいケンカップルの掛け合いが、どのようにコミカライズされるかも気になるところだが、賢吾の部下でS気質な伊勢崎や雨宮医院の美貌の看護師・舞桜(まお)など、原作小説ではなかなかイラストで描かれないキャラクターたちにも注目だ。また、愛らしいちびっこ・史の可愛らしさには、癒やされること間違いなしの本作、この機会に一度原作を手にしてみてはいかがだろうか。