ダイエットははじめる前が超大事! リバウンドせず永久にキープするために必要なのは…

健康・美容

2018/6/23

『10キロやせて永久キープするダイエット』(山崎潤子/文響社)

 女性の多くはダイエットに関心を持ったことがあるだろう。ダイエットをしている人の多くは、ダイエットを頑張る時期とリバウンドの時期を交互に繰り返している。ダイエットはやせることそのものよりもやせた状態をキープすることの方が難しい。そのような人にとって『10キロやせて永久キープするダイエット』(山崎潤子/文響社)は魅力的なタイトルだろう。本書は万年小太りだった著者が「華奢」と呼ばれるまでの2年間をまとめたものである。

 著者は小学校高学年から小太り街道を突き進んできた女性ライターだ。ダイエットマニアでダイエットの知識は人一倍持っているものの、食べることに対する欲求が強くどうしても食べ物を前にすると我慢ができなかったという。そして40歳を過ぎた頃から中年太りが加速しついに体重が60kgを突破。それでも当時はおばさんになったのだから仕方がない、と半ばあきらめていた。

 そんな彼女のやる気に火をつけたのは、旅先で撮った1枚の写真。写真には森の中で笑う妖怪がいた。写真は正直だ。そう感じた著者は、本書の監修もしている心理学者に助けを求める。「続けられないのは心が原因」と考えたからだ。心理学者の答えは単純明快。「ダイエットって、つまり生活習慣」ということだった。

 ダイエットが生活習慣の一部なら、やせる生活習慣は人それぞれということになる。ダイエットはつらく我慢が必要なものと考えてしまうと、一時的にはやせることができても、長くその状態を保つことはできない。そのため、ダイエットを始める前には自分の生活習慣を見直すための現状分析が必要だ。まずするべきことは、自分が太ってしまった食生活、体形と体重の歴史を振り返ること。何を食べてその体になったのか、正体を見極めることが肝心だ。そして、一日の摂取カロリーと消費カロリーを計算する。

 次におこなうことは、なりたいイメージを明確にすること。その後、目標を達成するための行動プランを考えるのだが、くれぐれも短期間にやせようと考えてはいけない。なぜなら、やせた状態を永久にキープするためには習慣化しなければ意味がないから。無理のない範囲で、行動計画を取捨選択し、第三者にもその計画に無理がないかどうかをチェックしてもらう。

 やせた状態をキープするには、モチベーションが大切だと考える人もいるだろう。しかし、心理学的にはダイエットでモチベーションを上げてはいけないという。上がったモチベーションはいつか必ず下がる。ダイエットが生活習慣になっていない段階でモチベーションが下がってしまうとそれはダイエットの終了を意味する。大切なのは洗顔や歯磨きと同じような習慣なのだ。

 ここまで読むと、本書はダイエットの本だが単なるダイエット法を指南するものではないことに気がつく。この考え方はダイエットだけでなく、あらゆることに応用可能だ。著者はダイエットが成功したことで、メイクや外出が楽しくなり、仕事でも好循環が生まれているという。ダイエットでは体だけでなく、心も変わったのだ。

 著者があとがきに書いているように、ダイエットとはすなわち「自分がどう生きていきたいのか」と向き合うことである。本気でダイエットを成功させたいなら、なぜやせたいのかという動機付けと目標設定、行動計画が重要なのだ。やせたいと思っていてもついつい食べ過ぎてしまうという人は、最初の動機付けが弱いということらしい。晴れて小太り人生から脱却した著者の言葉はすがすがしいものだ。

単なる自己満足だといわれてもかまわない。いくつになっても、自己満足って本当に大切だ。自己満足でもいいから、「いい感じ」の自分でいるほうが、絶対に楽しい。

文=いづつえり