ファンタジーに風穴を開ける、アメリカ仕込みの凄腕警官ここに!
公開日:2012/3/24
はい、もうガッツリ洋画テイスト全開じゃないですか!
この「コップクラフト」は物語の素地として、ハリウッド好きな僕の心をピンポイントで鷲頭掴みにしてくれましたよ。
アメリカのバディ刑事モノに西欧風ファンタジーのエッセンスを垂らしたら、なんて素敵な試みじゃないですか。
しかも主人公はいい大人です(笑)。レーベル的にその年齢の主人公はありなのか? と思わず問いただしたいところなのですが、ご安心を。十代の若者には出せない大人のジレンマが随所に見え隠れし、その経験の豊富さゆえに何とも安定した活躍を存分に見せてくれます。
僕は異世界から来た女の子には目もくれずに(主人公の相棒のはずなのに)、アメリカンポリスの捜査官、ケイ・マトバの動向ばかりを追ってしまいました。こう、何て言うんでしょうかねー、彼が見せるちょっとした仕草はとても惹きつけるものがあるんですよね。
例えば、相棒が殉職した後に、その相棒の飲みかけたコーヒー缶を車内でふと目にしてしまうシーンがあるんです。そこは直接物語に関係のない部分なんですが、主人公が相棒を失った喪失感が良く出せていると思います。
そういう細かい仕草が積み重なってハードな職務をこなすが、一方でちゃんと疲れている大人というものを見ることができて感情移入しやすかったです。
まだまだ異世界の側の情報が乏しいので、これから巻数を追うごとに追加されていくのかもしれませんね。やはり異世界とのリンクを持ってきたのなら、そっちの世界での活躍も見たくなる。そんな可能性を期待させる魅力が本作には詰まっています。
何だか、おっさん推しのレビューになってしまいましたが、おっさん好きなあなたに必見です。
不穏さを漂わす始まり
ヒロインの本名がとても長いんです!
ケイ・マトバに新たな相棒ができました