「もらったアドバイスは72時間以内に実行!」1万人のアスリートをどん底から救った、プロのメンタルコーチ術

ビジネス

公開日:2018/11/26

『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』
(鈴木颯人/KADOKAWA)

 プロ野球選手をはじめ、競技、プロアマを問わず多くのアスリートのメンタルコーチを務める鈴木颯人氏。2冊目の著作となる『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』(KADOKAWA)では、部下指導に悩むリーダーのために、部下のモチベーションを引き出すノウハウを紹介しているが、その中には、自分のモチベーションコントロールに苦労する人に役立つヒントも多い。

■スランプに陥ったら、最近サボっている習慣がないか見直してみる

 努力し、一度ならず結果を出したとしても、人は急に伸び悩んだり、調子を崩したりすることがある。それはプロのスポーツ選手であっても同じだ。どんなにスゴい選手でも、常に順風満帆なわけでは当然ない。では、頑張っているはずなのに不調に陥ってしまったとき、鈴木氏はどんなアドバイスをしているのか。

 不調に陥ると、多くの場合、「急にうまくいかなくなった」と本人は思いがちだが、鈴木氏が話を聞いてみると、それまで継続していた「習慣」をやめていたというケースが少なくないという。

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 結果が出たからその習慣はもう必要ないと思ってしまうのか、油断してしまうのかはわからない。しかし成功すると、「成功するまでにやっていた習慣や小さな積み重ねをしなくなる」という新たな習慣が生まれやすい。

 そのような人に鈴木氏は、「うまくいっていたときにやっていて、うまくいかなくなったときにやっていなかったことは何ですか?」と尋ねるという。すると、うまくいかなくなった原因がわかることが多い。

 確かに、努力して成果が出るようになると、それまで続けていた基礎的な習慣をふとやめていると気づくことがある。不調に陥ったときはまず、最近サボり始めた習慣がないか考えてみるべきだろう。

■活躍する人は、アドバイスを72時間以内に実行している

 さらに、特に理由がないのに伸び悩んだり、スランプに陥っているときは、「ここ最近学んだり聞いたりしたことを試してみる」という方法も効果的だという。意識しないと、せっかく人にもらったアドバイスを結局、実行しないで終わることは多い。

 鈴木氏が尊敬する社長に聞いた話では、活躍する人ほど、学んだことを3日以内に復習・実践しているそうだ。実際に鈴木氏のクライアントで活躍しているアスリートも、同じような傾向がある。

 アドバイスをもらって実行すべきだと感じても、「その日のうちに」「次の日に」と決めてしまうと、なかなか厳しい。実行できなければ「決めたことができなかった」というネガティブな感情が生まれ、さらに実行できなくなる。しかし、3日(72時間)以内なら、なんとかできそうな気がしないだろうか。

 今、世の中には、すぐやることがすばらしいという風潮があるが、なかなか実践するのは難しい。鈴木氏が繰り返し説くとおり、どんな工夫や努力も「続かなくては意味がない」。だからこそ、まずは「もらったアドバイスは72時間以内にやる」と決めてチャレンジしてみてはどうだろう。きっと、今までにない結果が出せるようになるはずだ。

 続けること重視する鈴木氏は、決めた習慣が続かなくて悩む人にこんなアドバイスもしている。それは、「モチベーションが続かないならハードルを下げてみよう」。

 たとえば、「通勤電車の中で毎日10ページ本を読む」と決めたのに実行できなかったとしたら、「通勤電車の中で1ページでも本を開く」あるいは、「1行でもいいから読む」とする。高いハードルを設けてくじけるより、塵も積もれば山となる、というわけだ。

【著者プロフィール】
鈴木颯人(すずき・はやと)
1983年、イギリス生まれの東京育ち。スポーツメンタルコーチ。Re-Departure合同会社 代表社員。モチベーションをうまく引き出すコーチングを通じて、野球、サッカー、水泳、柔道、サーフィン、競輪、卓球など、競技・プロアマ・有名無名を問わず、パフォーマンスを激変させるアスリートが続出中。