「オトナのオモチャ」「変態プレイ」「風俗」… 笑えて頷けるアダルト事情
更新日:2018/12/5
趣味はエゴサーチと課金、漫画家・コラムニストのカレー沢薫氏の著書『猥談ひとり旅』(日本文芸社)が11月23日に発売された。本書は『週刊漫画ゴラク』で連載中のコラム「使えなそうで、やっぱり使えないエロ知識」を書籍化したものだ。テーマはずばり「エロ」。セックス用家具の紹介から乳首の種類(ちなみに8種類)まで、エロ知識を網羅する注目の1冊だ。
著者は他人のセックスには興味津々だが、自分の性体験は恥ずかしくて語れないタイプ。漫画やコラムにはよくエロネタを取り入れているが、あくまで漫画上のストーリーや見聞などにとどまる。ところが今回、著者は「私も実はここだけの話、セックスをしたことがある」と大胆発言(ちなみに30代の人妻)。
そんな著者が挑戦した本作は過去の作品同様に抱腹絶倒であり、「人前で読まなくてよかった」「書名を店員に尋ねたら怪訝な顔をされた」などの感想が続々とツイッターに投稿されている。もちろん著者はエゴサーチが趣味というだけあって読者の感想を驚く速さで連日リツイートしている。その速度は「10秒に1回エゴサ」「エゴサ3段」とも言われている。
本書からいくつかエピソードを紹介すると「イカしたアイツ」という項ではTENGAの進化や使用場面についての考察から、女性のオ◯ニー方法の多様さまで触れている。「性癖ガチャ」では、持って生まれる性癖は自分では選べないという点を「ガチャ」に見立て、そのどうしようもなさを“変態番付(世の中のすごい変態を番付にしたもの)”に絡めて語っている。「今日勃起したい」では、“明日と引き換えにしてでも勃起したい”男たちの背負う運命などが綴られている。
本書には他に「野エロのすすめ」「ヒモパン論争」「ダッチワイフ最前線」など、知識と笑いに富んだエピソードが収録されている。また、ハプニングバー、ゲイストリップ、バイブバーなどの風俗店事情もわかるので、行きたいけどビビってしまうという読者には良い予習になるだろう。
ちなみに今回の書籍化にあたり週刊ゴラク編集部が株式会社TENGAに協力を仰いだところ、快諾された上に著者のもとに「TENGA」や「iroha(女性用セルフプレジャー・アイテム)」が届いたそうだ。その後、著者のTENGAは夫に見つかってしまったらしいが。
本書の帯のキャッチコピーは“皆好きだろ? 穴と棒とタマの話がさ”。著者のおすすめの読み方はデビュー作から変わらず「買って燃やしてまた買ってほしい」「読まなくていいから買ってほしい」だが、皆さんはせっかくなら燃やさずに読んで、下ネタと冗談が通用するオトナな友人に買ってプレゼントするのもいいだろう。ちなみに表紙絵にもなっている著者のキュートな自画像(黒いかたまり)は陰毛を表している。「ブックカバーの上からでもうっすら透ける」と評判だ。使えなそうでやっぱり使えないエロ知識が満載の本書。“穴と棒とタマの話”が好きなら、恥ずかしがらずにぜひ書店に足を運んでほしい。
文=ジョセート
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