【病院に行ってみた】恥ずかしがっていても治らない、排尿障害のリスクを知ろう

健康・美容

2019/3/1

『本当はこわい排尿障害』(高橋知宏/集英社)

 俗に言うアソコ…デリケートゾーンのかゆみ、残尿感、頻尿…については、悩んではいても「恥ずかしさ」に負けて、人には相談できないし、泌尿器科にもなんとなく行きづらいものだ。

 でも、「恥ずかしい病気」などない。インフルエンザも癌も性病も同じ「病気」だからこそ、病院も治療薬も治療法もあるわけで、罹患したならためらわずに病院に行けばいいだけのこと。

 それは、わかってるけど…泌尿器科へ行かず、皮膚科や市販薬で今日をしのいでいる人は少なくない。かくいう私も、この数年、自分は頻尿ではないかと疑いつつ、泌尿器科は受診できていない。そんな私に渡されたのが『本当はこわい排尿障害』(高橋知宏/集英社)である。頻尿の不安など誰にも話したことがなかったのに、この本が巡って来たというのも天の導き。

 本書では、この道40年の泌尿器科医が「排尿障害のこわさ」について、数々の症例を例示しながら、対処方法などが紹介している。

 とはいえ、いきなり手術をしようとか、この著者の病院へ行くべきだ、というつもりはない。まずは、我々が抱えている「デリケートゾーン周りの悩み」の原因とはなにか、どうすべきなのかを把握するところから始めよう。「恥ずかしがっていても、病気は治らない」のだ!

■「排尿障害」が引き起こす健康被害

 いわゆる、頻尿や残尿感、尿もれなどの「排尿障害」は、男女共通に見られる症状だ。その原因として、前立腺の炎症(男性の場合)や膀胱炎、尿道のトラブルなどが一般的に挙げられるが、どこか「後回し」というか、「軽いものだと思いたい」という心理が働く。

 しかし、排泄というのは「老廃物」や「不要なゴミ」を体外に排出する行為であり、その「出口」にトラブルが発生すれば、体内に不要なものや毒素がたまってしまい、甚大な健康被害を引き起こしかねない。

 本書によれば、「排尿障害」によって引き起こされる病気は、デリケートゾーンの痛みやかゆみなどに始まり、激しい胃痛や坐骨神経痛、各部のしびれ、下痢症、顔のむくみ、うつ病と、枚挙にいとまがない。「排尿障害」を恥ずかしいからといって後回しにするのはとてもこわいことなのだ。

 さて、気になる「排尿障害」を考えるための最初の目安は――

(1)1日に8回以上トイレに行く
(2)トイレに行ってすぐにおしっこが出ない(公衆トイレなどで人が待っていると出にくくなるなど、出にくいことがある)

 まずは、この2点で自分をチェックしてみよう。しかし、私もそうだが「今日は水分をたくさん摂ったからトイレの回数が多いのかな」とか「普段は5回くらいだけど、たまたま今日は8回だった」「歳をとったからキレが悪くなった」などと、勝手に診断してしまっていないだろうか? 本書によれば、「1日6回のトイレでも隠れ頻尿の疑いアリ」で、「排尿障害があれば年齢に関係なく出にくかったり残尿感が生じたりする」という。

 私の場合、かなりコーヒーやお茶を飲むほうで、考えてみると1日平均6回以上はトイレに行っている。ビールを飲むと、ほぼ30分でトイレに行きたくなる。…疑惑は高まった――というわけで、とうとう私は泌尿器科に行くことにした。

■いざ泌尿器科へ!

 訪れた泌尿器科は、朝一番で受付をした時点ですでに8番目。「約70分待ち」と言われた。うへぇと思ったが、冷静に考えて、1人10分の診察をするだけで70分かかるのは当然だ。

 男性の私がかかったのは、男性が院長の泌尿器科。受付は女性だが、慣れたもので誰が来てもサラッと自然に受付をしていた。

 院内には「検尿があるかもしれないのですぐにトイレに行かないで」と注意書きが貼ってある。私も検尿を想定して、起きてからトイレを我慢していたので、受付で「トイレ行きたいんで、検尿してください」と志願した。待合室の患者さんたちは、割と高齢の男女が同程度(2時間後には女性のほうが多かった)。皆、人のことなど気にせず、普通に待っている。病院だからこれも当然。

 結局、2時間待ちで受診することとなった。その間、外出可能で、呼び出しシステムがあるのはとても助かった。

 実際の診察では、問診に続いて、超音波エコーで膀胱をチェックした。人間ドックで胃や腸のエコーをやったことがあるが、今回のターゲットは「膀胱」なので、けっこう下腹部までグイグイと機械を押し付けられた。

「はい、じゃあ今度は――パンツ下げて、膝抱えて、おしり浮かせて」と、先生に言われるまま、直腸にもエコーの装置が…! こういった流れは合わせて2~3分で、恥ずかしいとか考えている間もなく、あっと言う間に検査は終わった。

■泌尿器科にかかる前にチェックしておきたいのは――

 結果、私には「慢性前立腺肥大の傾向が見られる」とのことで、とりあえず薬で治療して様子をみようとなり、抗生物質と前立腺の治療薬が処方された。

 ちなみに「酒には利尿作用があるからトイレが近くなるのは仕方がない」と言われたが、やはり間隔が近いのは気になるので、経過観察が必要となった。あっと言う間に診察は終わり、今まで何をためらっていたのかと思うほどだったが、強いて言うならば、以下をポイントに病院に行くと良いだろう。

(1)待ち時間は長いので時間の余裕をみて行く
(2)検尿がある可能性が高いのでトイレは適宜ガマンしておく
(3)色々見られるので、気になるなら医師の性別はHPで確認を
(4)前日までに自分のトイレの回数をカウントするなど、症状をまとめておく
(5)いつ頃からその症状があるのかを思い出しておく
(6)合わないと感じたら、別の病院に変えればいい(思いつめすぎない)

 というわけで、本書をきっかけに、私は長年ためらっていた泌尿器科に行くことになり、不安だった頻尿問題にもひとつの改善策が与えられ、ホッとしている。これで治ればベストだし、治らなくても別の原因を探ってもらうべく病院に行けばいい。本書にはこんな一文がある。

患者さんが頑固だと病気も頑固だと、患者さんが気難しい人なら病気も気難しいと、人間を診ながらいつも思います。

 まずは、心の壁を少しだけ柔らかくして、ひとりで悩んだり、見てみぬフリをせずに、泌尿器科にかかってみてほしい。くり返しになるが――「恥ずかしがっていても、病気は治らない」のだ!

文=キッド=ライラック