「緊張しやすい」ことはひとつのスキル。その才能を開花させる3ステップを紹介

ビジネス

2019/4/2

『緊張して話せるのは才能である』(永井千佳/宣伝会議)

 緊張しやすい人にとっては、苦しいシーズンがやってくる。年度初めは、就任や異動、卒業や進学など、人前で話す機会が増える時期。手のひらに「人」の字を書いて飲み込む、という方法で乗り切っている人がいるかもしれない。しかし、「そんな古典的なテクニックで克服できたら苦労しない」と悩む人がほとんどではないだろうか。

 緊張を克服するコツを紹介した書は多い。しかし、緊張しやすい人にとっては、それが解決の糸口とならない場合もあるだろう。緊張するものは緊張してしまうのだ。

 では、無理して緊張を克服しなければよいのでは?

『緊張して話せるのは才能である』(永井千佳/宣伝会議)は、意外なメッセージを読者に送る。

緊張は、克服するものではなく活かすもの。
緊張は才能である。

 あなたは「まさか!」と驚くだろうか。それとも「またまた」と呆れるだろうか。

■「緊張できない人」に成長の見込みはない?

 私たちは、子どもの頃から「緊張しないでリラックスして」と言われ続け、「緊張はよくないものだ」「克服すべきだ」と考えてきた。しかしながら、人が緊張するのは生物学的な理由があってのこと。簡単にいえば、緊張は「戦う」際に必要なエネルギーを集中させる反応だ。

緊張とは、生きるか死ぬかのギリギリのところで、能力以上のものを引き出そうとする、人間に生まれつき備わった力、才能なのです。

 緊張しやすくて困ったことがある人は、「緊張に疎遠な人」に憧れやすい。しかし、本書はこういった人を「緊張できない人」とバッサリ。思い返してみれば、確かに本書が述べるように、緊張しない人の言葉は印象に残りにくいのかもしれない。自慢話がダラダラと続き、メリハリが乏しく、時間はオーバーする。本書がとったアンケートによると、こういった人たちのプレゼンは、顧客満足度は低い傾向が見られるそうだ。

 さらに、緊張できない人の最大の問題は、「反省がない」ことだという。低い顧客満足度であっても、自分に否があるとは考えない。逆に、緊張しやすい人は、自分の緊張のせいだと反省し、振り返る。これにはやがて成長が付いてくる。

■緊張と上手に付き合うためのトリセツを紹介

 本書は、緊張できる人が“持って生まれた”才能である緊張を活かす方法を紹介している。この方法は2つの要素で成り立っている。1つ目は、先に述べたとおり「緊張を認め、受け入れること」。緊張を認めない人は、緊張を活かし、能力以上のものを引き出すことができない。

 そして、2つ目は「緊張を取扱説明書通りに扱う」こと。本書によると、緊張を扱う第一歩は、自分を知ること。そのためには、自分のプレゼンを録画して自分で見ると良い。

【やり方】
1 スマホを用意する。
2 家でプレゼンのリハーサルをして、スマホで録画。自分で見る(冒頭3分でOK)。
3 そして本番でも録画して、あとで見る。

 緊張で話せないのは、自分が客観的に見えていないことが大きな原因だという。そうはいっても、多くの緊張しやすい人はこう思うのではないだろうか。

「でも、自分の録画を見るなんて恥ずかしい」

 これに対して本書は「あまい。あなたはその恥ずかしい姿を人に見せているんですよ?」と手厳しい。

 手順2で冒頭3分とあるのは、特に人が緊張するのがこの前半の3分だからだ。これを乗り越える秘策は、「ゴールデンタイムである冒頭15秒」と「第一声」にあるのだが、詳しくはぜひ本書に当たってもらいたい。

文=ルートつつみ