あのプーチンも学んだKGBスパイの技術を真似れば記憶力がアップする!? 脳を活性化するトレーニング

ビジネス

2019/4/16

『KGBスパイ式記憶術』(デニス・ブーキン、カミール・グーリーイェヴ:著、岡本麻左子:訳/水王舎)

 私たち日本人にとっては、「スパイ」というと映画や小説といったフィクションの中の存在というイメージが強いのですが、彼らは実は世界各地に存在し、自らの国を守るために日々活躍しています。そんな本物のスパイが学ぶ多くの科目の中から、記憶力と思考の部分にフォーカスした演習を1冊にまとめたのが『KGBスパイ式記憶術』(デニス・ブーキン、カミール・グーリーイェヴ:著、岡本麻左子:訳/水王舎)。

 実際に使われていた演習をまとめたものといっても堅苦しいものではなく、本書では架空の新米スパイが辿るあるミッションを通して、一歩ずつスパイにおいて必要とされる記憶力が身につくような構成になっています。

 日々行うべき脳のトレーニングと、ミッションに書かれた内容をきちんと記憶しているかのテストなどが随所に用意されており、最初のうちはそんなに難しくないものが多いものの、新米スパイのランクが上がっていくに従って、読者に要求されるスキルもどんどんと高度なものになっていきます。

■視野を広げ注意力を上げる、スパイの基本トレーニング

 例えば、本書で頻繁に出てくるトレーニングとして「シュルテ・テーブル」という表をつかったものがあります。これは、5×5のマス目に1から25までの数字がランダムに配置されており、いかにはやく1から25までを順番に見つけられるかという訓練をするもの。

 これによって周辺視野や注意力、さらにはセルフコントロール能力、集中力などが鍛えられるというシュルテ・テーブルですが、実際にやってみると想像以上に難しく、最初のうちはかなり時間がかかってしまうでしょう。にもかかわらず、ランクが上がっていくと、このトレーニングも最終的には7×7のマス目から数字を見つけられるようになっていくのです。

 このように、要求されるハードルは次第に高くなるのですが、真剣にこれらのトレーニングをこなしていくと、あなたがたとえスパイを目指しているわけでなくても、日常生活に変化がもたらされることがわかります。

■外国語や数字を覚えることにも役立つ記憶術

 タイトルにもあるように、本書には記憶力を高めるためのトレーニングが多く紹介されているので、記憶力の大会に出場するような人が練習する「場所記憶法」や「関連づけ」などのテクニックを学べるのですが、それらを活用して、外国語を学習したり、数字を覚えたりなどという応用方法までも身につけることができます。

 記憶力だけでなく、スパイとして必須であるコミュニケーション能力や人の心を誘導する方法、人の顔を覚える方法なども学べるようになっており、これらは、ビジネスマンにとっては、どれもが身につけておいて損がないどころか、大きな助けになるスキルばかりといえるでしょう。

 スパイとしての物語を追体験しながら、日常生活の場面で活用できるビジネススキルを身につけられる本書は、ビジネス書として、また、コミュニケーションや心理学のマニュアルとしても使用することができる、非常に有用な1冊といえます。

 記憶力にはあまり興味がないと思った方にとっても、自らの脳を活性化させ、よりクォリティの高い人生をおくるための強い助けになってくれますので、自分には関係のない“キワモノ”とは思わずに、手に取って一読することをオススメします。

文=龍音堂