忙しい日でもパパッと完成! 誰でも作れるラクうま“作り置き”レシピ【作ってみた】

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更新日:2019/6/13

『やさしい作り置き 忙しい平日でもできる本当にラクな地味うまおかず』(スガ/学研プラス)

 健康を考えるなら食事はできれば自炊したいところ。しかし忙しい日々に追われている人にとって、毎日ごはんを作るのはなかなか大変だ。仕事をしながら子育てをしている私も、やはり連日手作りするのは難しく、「今日は作ってる時間ないから、スーパーで惣菜でも買って帰ろう」と、食事がおろそかになってしまう日がある。

 そんな私の目に留まったのが、『やさしい作り置き 忙しい平日でもできる本当にラクな地味うまおかず』(スガ/学研プラス)というレシピ本。ブログ「週末の作り置きレシピ」が人気の著者・スガさんが、簡単で誰でも作りやすい&冷蔵庫で数日保存ができるレシピを書き下ろした1冊だ。これなら家事にあまり時間をさけない私でも、手作り料理を家族に振る舞えるかも。いうわけで、本書の中から気になったレシピをいくつか作ってみた。

はちみつでマイルドな味わいに! 「鶏もも肉のハニーマスタード」(P.39)

 まずは、鶏もも肉を使ったボリュームおかず。鶏もも肉をひと口大に切って片栗粉をまぶし、フライパンで両面を焼いて、粗挽き粒マスタードと酒、しょうゆ、ハチミツを和えたタレを絡めればあっという間に完成だ。かかった時間は約15分。

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 熱々を頬張ると、ハチミツが鶏肉をマイルドに包み込んでいて甘辛くジューシー! 適度にこってりしていて主食としての満足度も高い。しかも普段あまり食卓に登場しない粒マスタードを使っていることで、“なんだか手が込んでそう”なオーラを醸し出すこともできる。いつもごはんを残しがちの我が家の4歳の息子も、「おいしい!」とおかわりを連発してくれた。ママ感激!

 本書の「アレンジメモ」によれば、ゆでたじゃがいもやパプリカ、きのこを加えてもおいしいんだとか。冷めてもおいしかったので、お弁当にも喜ばれそうだ。

たった15分で完成! 超簡単な「トマト缶でハッシュドビーフ」(P.62)

 続いて、おもてなしにもぴったりな牛肉料理をご紹介。このハッシュドビーフは家にある調味料とトマト缶だけで味付けができる時短レシピだ。作り方は、まず牛切り落とし肉と薄切りにした玉ねぎに小麦粉をまぶし、フライパンで炒める。牛肉の色が変わったらしめじを加え、トマト缶・ケチャップ・ウスターソース・コンソメスープの素・しょうゆ・粗挽きこしょう・バターを入れ、フタをして10分煮込めばできあがり。

 お手軽=味もそこそこ、かと思いきや牛肉とトマトの旨味が凝縮されてかなり本格的な味わい! ごはんにかけたり、チーズをのせてグラタンにしたりと、その日の気分でアレンジすることもできる。正直ハッシュドビーフってものすごーく難しそうだし手間がかかりそう…と思っていたが、このレシピなら失敗知らずで来客時にもパパッと作ってもてなせちゃうレベルだ。

 肉と野菜をしっかり摂れるので、育ちざかりの子供がいる家庭にもおすすめ。牛肉は少々値が張るので、牛肉が特売日の日を狙ってたくさん作って保存するのがいいだろう。

めんつゆで高級トマトに早変わり!? 「トマトの和風マリネ」(P.82)

 最後はめんつゆと大葉でさっぱりと仕上げるトマトマリネ。実は私トマトが苦手なのだが、本書に「残念なトマトが高級フルーツトマトのような味に大変身」と書いてあったので、これなら私でも食べられるかも…と思ってチャレンジしてみた。

 作り方はくし切りにしたトマトをさらに食べやすい大きさに切って、千切りにした大葉とめんつゆ、砂糖、酢、レモン果汁、しょうがすりおろしを混ぜ合わせたマリネ液で和え、冷蔵庫で2時間以上浸ける。

 ドキドキしながら食べてみたところ、「うん、これはおいしい!!」。よーく漬け込んだことで、トマトに旨味がしっかり浸透していて甘く、大葉のさっぱりとした風味が後から追いかけてくる。冷奴にかけたり、ほぐした蒸し鶏と和えてサラダチキンとして食べても◎。これからやって来る暑い季節にはきゅうりやみょうがを一緒に漬け込んでもおいしいそうだ。トマトには美肌や老化防止にいい栄養素がたっぷり入っているので、トマト嫌いな人もぜひお試しあれ。

 本稿で紹介した3品は、すべて「冷蔵庫で5日間保存」が可能。時間があるときにまとめて作って、忙しい日は温めるだけにしておけば、毎日の食卓が華やかになりそうだ。

 本書にはこれ以外にも、肉・魚を使ったボリューム満点の料理から、野菜がたくさん摂れるサブおかずまで、作り置きに便利なレシピが満載。食材1つ、味付け簡単、フライパン1つ、火を使わない…といった“やさしい”ポイント&料理の基本がたっぷり詰め込まれているので、働くママはもちろん、料理初心者が料理を覚えるための1冊としても役に立ちそうだ。

調理・文=齋藤久美子