お父ちゃんは失敗ばかり…育児に奮闘するミュージシャン・ケイタイモの家族コミックエッセイ

マンガ・アニメ

2019/7/20

『家も頑張れお父ちゃん!』(ケイタイモ/文藝春秋)

 トレードマークは、辮髪とヒゲと丸メガネ。そんなユニークなルックスの“お父ちゃん”が子育てに奮闘する姿を描き出したコミックエッセイが今話題を呼んでいる。その名は、『家も頑張れお父ちゃん!』(文藝春秋)。

 作者は、WUJA BIN BINやATOM ON SPHEREなど様々なユニットで活動するミュージシャンでイラストレーターのケイタイモだ。この本は、ケイタイモによる毎日更新のInstagramでの大人気マンガに文藝春秋の「コミックエッセイルーム」連載分をくわえて書籍化したもの。

 外では楽器を愛で、家では子どもたちを愛でまくる。読めば読むほど、クセになるその内容に、木村カエラも「たまらなく好き、この感じ。」と大絶賛。妻、娘、息子2人という5人家族で生活しているケイタイモの家庭での奮闘ぶりに、ときに笑わされ、ときに心があたたかくなる。

 きっちりきれいなお母ちゃん。誰とでも仲良くできる社交的な長女8歳。一人遊びが好きな長男4歳。よく笑うパワフルな次男1歳。そして、外ではミュージシャンとして活動するお父ちゃん・ケイタイモ…。外でのミュージシャンとしての華々しい活動に比べると、日常でのケイタイモの生活はごくごく一般的だ。

 お父ちゃんは、幼稚園への送り迎えやおむつ替え、お風呂入れなど、日々、育児にあくせくしている。読めば読むほど、そんなお父ちゃんの姿をどうしても応援せずにはいられなくなってしまう。というのも、お父ちゃんはいつも失敗ばかりなのだ。

 片付けは、子どもたち以上に苦手。「夜泣きが大変」というお母ちゃんのために、「じゃ俺が何とかするよ」と言いながらも、結局子どもの泣き声に気づかないし、子どもたちのおやつを小腹が空いて食べてしまうこともある。子どもたちから「おとーちゃん、いや!!」などと拒否されることもしばしば。だけれども、そんな失敗ばかりの彼の日常生活は、共感せずにはいられない。子育て経験者からみれば、“あるある”と思わされる出来事ばかりなのだ。

「ちょっと机の上片付けなさいよ」
「お父ちゃんだって部屋汚いくせに」
「お父ちゃんの部屋はモノが多いの」
「片付けろとかよく言えるよね」
「お前なぁ親ってのは、自分のこと棚に上げないとやってけないモンなのよ」
「知らんわ」

 親というものは、子どものためにいつだっててんてこ舞いし続ける生き物なのだろう。毎日が七転び八起き。子どもの言動に一喜一憂。子育てほど、難しいものはない。だけれども、難しいからこそ、子どもたちの小さな成長がとてつもなく嬉しい。ケイタイモの日常に触れていると、そんなことを思わされる。

 何より世の中のママたちの共感を呼ぶのは、ケイタイモの作品には、お母ちゃんへのリスペクトが感じられるからだろう。子どもたちの成長と、お母ちゃんへの感謝の思いに、思わず、ホロッとくる場面も。ケイタイモのミュージシャン仲間が多数登場したり、各話のタイトルが曲名になっていたりと音楽好きにも必見。あたたかい気持ちにさせられるファミリーコミックエッセイをぜひともあなたも読んでみてほしい。

文=アサトーミナミ