一家心中があった4DKに家族全員で暮らしてみた。身の毛もよだつ幽霊マンションの体験実録!

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更新日:2019/7/22

『一家心中があった春日部の4DKに家族全員で暮らす』(建部博/鉄人社)

 いつの時代も、人びとの興味をそそる事故物件。いわゆる“いわくつき”の住宅であるが、一般的にイメージされるのはやはり、誰かが亡くなり今なおその思念が残り続けるような物件だろう…。

「オカルトには関心がなかった」というある編集者が、上司からの一言を受けて実際の体験レポートに挑んだ1冊が、『一家心中があった春日部の4DKに家族全員で暮らす』(建部博/鉄人社)だ。いったい何が“幽霊”の仕業なのか否か。信じるか信じないかは人それぞれだろうが、本書には身の毛もよだつような数々のエピソードが収録されている。

■引っ越し当日。外からふと聞こえてきた拍子木の音

 著者はこれまで2度、事故物件で生活してきた。新米編集者の当時、上司からの「ちょいと幽霊マンションに住んで、何が起きるか連載しろよ」という軽い一言を受けて、1軒目に選んだのが豊島マンション205号室。それまでの入居者は4人連続で夜中にうなされ退去したという物件だった。

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 引っ越した当日から、著者はさっそく不可解なできごとに遭遇した。その日、引っ越し疲れもあったのか就寝したのは22時頃。「皆がうなされて出ていくんだよな。…てことは、これからオレもうなされちゃうのかな」と、わずかながらの不安を抱えていた著者であったが、異変が起きたのは深夜2時頃だった。

 耳元へ届いた「カン、カン、カン…」という音をきっかけに、ふと目を覚ました著者。記憶をたどると、その音は“火の用心”の夜回りなどで使われる、拍子木の音に似ていた。

 いくら何でも「こんな時間にあいつらが歩いてるワケねーだろ!!」と思い、飛び起きて窓を開けてみるも、やはり外には誰も歩いていない。それどころか、大きく鳴り響いていたはずの拍子木に似た音すらパタッと鳴りやんでしまったが、当時の心境を「さすがにビビった」と振り返る著者は、その後頭から布団をかぶり、テレビを点けて気をまぎらわせながら朝を待ったという。