決して帰り道で読んではいけない……毎日のように怪異に襲われる女子高生が迎えた衝撃の顛末とは

マンガ

公開日:2019/8/26

『不死身のパイセン』(田口翔太郎/小学館)

 いま、どうしても続きが気になって仕方がないホラーマンガがある。

 田口翔太郎さんというマンガ家が描いた『不死身のパイセン』(田口翔太朗/小学館)だ。

 マンガアプリ「マンガワン」に掲載されたこの作品は、後のファン投票によって電子書籍化が実現。ホラーマンガ界では「突然現れた快作」とまで呼ばれ、話題を集めている。

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 そんな本作は、正体不明の台風に襲われた町に住む2人の女子高生・秋田奈津(あきた・なつ)と鬼龍院(きりゅういん)が、部活を終えて帰るシーンから始まる。帰り道で2人は毎回怪異な出来事や化け物に遭遇する。人を丸のみできるほど大きな口を開けてたたずむ人間や、触れると顔を奪われる呪いの人形、おんぶしてくれた先輩をそのまま死者の世界へ連れて行こうとする女の子など、どれも帰り道で会うには刺激が強すぎる化け物ぞろいである。

 不思議なのは、狙われるのはなぜか先輩である秋田だけなのだ。鬼龍院もその場で化け物を見ているが、一切襲われないし、むしろ襲ってきた化け物から先輩を守ることもある。秋田はそんな鬼龍院と一緒に下校できることに頼もしさを感じていた。

 そんな日常が続いたある日、いつものように2人で帰宅中のこと。鬼龍院がいきなり秋田の歩みを止める。彼女は曲がり角を覗いた瞬間、何かに引っ張られるように消えてしまう。直前に彼女が言い残した言葉はこうだ。

「先輩ダメです。逃げ…て」

 異変を察知した秋田はすぐに鬼龍院のもとへ向かう。しかしそこに彼女の姿はもうない。目の前にいるのは、顔がつぶれ引き裂かれたもう1人の自分と名乗る秋田。もう1人の自分はこう告げるのだった。

「逃げるな。」と。

 果たして秋田は何から逃げているのか。今まで襲われなかった鬼龍院はどこに行ってしまったのか。そもそもなぜ化け物は秋田だけ襲い、またなぜ秋田はいつも無事に生還しているのか。読み手の予想をはるかに上回る物語の結末は、ぜひ書籍を手に入れて確認していただきたい。

 ちなみに作家本人は、「人気次第では長期連載化いたします!」とコメントを残している。そんなこと言わずに、ぜひ一刻も早く連載化を進めてほしいと願うばかりだ。

文=トヤカン