イマドキ10代のスマホ事情は、親世代とどう違う? 「触らせない」では済まない、最新安全事情

出産・子育て

2019/10/26

『親が知らない子どものスマホ』(鈴木朋子/日経BP)

「子どもにスマホを与えるべきか否か」――親はもちろん、子どものいない人たちの間でも議論百出のようだ。

 私自身の子どもが携帯電話やスマホを持つようになったので、安全な使用方法をレクチャーする集会に参加したり、関連本を読んだりしてみたが、フィルタリングをかけるとか使用時間を決めるといった、“禁止事項”を掲げることが多いことに疑問を感じていた。だが、本稿で紹介する『親が知らない子どものスマホ』(鈴木朋子/日経BP)は、元システムエンジニアで2人の子どもを育てた経験のある著者によるもの。その姿勢は他とは少し違うようだ。

■イマドキの10代はスマホをどう使っている?

 本書ではスマホを持たせるタイミングについて「回答を1つに絞ることはできません」としているが、著者の長女が中学生になったときにガラケーを持たせたところ、メールを友達と真夜中まで延々と送り合っていたそうだ。メールといえば要件があるときにだけ送るものと思っていた著者は、そんな利用法は想定していなかったが、自身が子どもだった頃にやっていた「長電話」がよく注意されていたのと同じだと気づいたという。

 そういったこともあったからなのか、本書では社会問題をことさら強調して危機感やマイナス面を煽るのではなく、取材や調査データなどに基づいて、イマドキの中高生のスマホの使い方や、スマホで使えるSNSやアプリなどの現状を、それらサービスを使ったことがない人でも分かりやすいよう解説している。

 総務省「平成30年版情報通信白書」によれば、スマホとパソコンの利用状況に関しては世代間でそれほど差はないと読み取れる一方で、著者が取材したスマホ世代の女子高生たちの中には「パソコンが何をするものか分からない」と答える子がいたという。とりわけキーボードの配列に使いにくさを感じ、画面上で指を動かして片手で操作できるフリック入力を、パソコンでもできるようにしてほしいと望んでいるのだとか。

■複数アカウントは当たり前。SNSについて親世代も知るべきことは

 そんな子どもたちは複数のSNSを自在に使い分けている。特に「Instagram」上で15秒の動画が投稿できて24時間後に自動削除される「ストーリーズ」という機能は多くの支持を集めている。その理由を著者は、「今を共有できれば、それでいい」という若者心理にマッチしていると分析する。子どもたちは写真や動画を撮りすぎてスマホの記憶容量が足りなくなっても、バックアップすることは考えず、削除するのを躊躇しないそうだ。

 また、端末1台につき1アカウント原則の「LINE」に次いで、SNSとしては古参の「Twitter」が2位を占める利用率。入学前から交流して新しい友人ネットワークを作るとか、励まし合いながら勉強するといった、用途に合わせて複数のアカウントを持てるのが理由らしい。本音をつぶやくための「裏アカウント」は増加傾向にある模様だ。

 本書でもネット上のさまざまなトラブルへの対処法はもちろんのこと、万が一の備えとして役立つ相談窓口のサイト情報も掲載されている。だが、保護者が「最初の相談窓口」になれるのが一番良い。著者がいう、「保護者が用語や機能を理解できないと、子どもからすると相談しづらい」という指摘はもっともだろう。同時に、特別に身構えるのではなく、「一緒に遊んだり、時にはアドバイスしたり」と、普段の親子関係の延長線上にあるという著者は述べる。一緒に学んで覚えてもいいのだ。ネットという広い世界に子どもを送り出すためには、まだまだ親も知らなければならないことが多いのだ。

文=清水銀嶺