あの名作RPG「ドラクエ」の世界を題材にした、シビアで重い、勇気と成長の物語

コミック

2012/5/22

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版1巻

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : スクウェア・エニックス
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:藤原カムイ 価格:720円

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もはやゲームファンでない人も知る、名作RPG「ドラゴンクエスト」の世界を題材にした人気コミック「ロト紋(もん)」が電子書籍になりました。

ドラクエ3のラスボス・大魔王ゾーマが倒れてから100年後の世界。ロトの子孫・アルスが主人公の、勇気と成長の物語です。本作では、新たな魔神が圧倒的、邪悪な力を持って世界を闇で包もうとしています。魔神の配下には、あの竜王もいて、アルスを苦しめます。

ええ、子どものときリアルタイムで読んでいましたとも。
当時では珍しい横表紙からしてインパクトがあったのですが、中身はさらに。少年マンガなのに、ときには絶望感すら漂うシビア度。例えるなら、フバーハをしなければ容赦なく火炎や吹雪にゴリゴリ体力を削られてあっけなく死ぬ、剣の鍛錬を少しでも怠ったらいきなり出てくる強敵に太刀打ちできずあっさり死ぬ、といった感じ。ドラクエマンガなのですが、判定がFF的で、「おお勇者よ 死んでしまうとは情けない」という救済がないのです(わかる人にはわかってもらえるかと)。よく比較される人気ドラクエマンガ『ダ◯の大冒険』よりシビアで重いとされる世界観が支持を受けていました。

カラー原稿の完全再現、描き下ろしの収録もある“完全版”なのもファンにはうれしい。

本作の主人公アルスは王家に生まれた王子様で、悲惨な運命を乗り越えて真の勇者として成長していくのですが、王家や特別な地位の跡継ぎが受ける教育に「帝王学(ていおうがく)」というものがあり、アルスも幼少期を過ごす“聖地”でそれを受けていたのかな、と思ったりします。

リーダーシップ論である帝王学は、主に経営術や人の統制方法を学ぶのですが、経営には物事を判断するという勇気、人を統べるためには人を惹きつける魅力が必要です。勇者には勇気と魅力が備わっているもので、そう考えると、やはりアルスは勇者たるべきなのだな、と。いや、まあロトの血を引いているし、文句なしに勇者の器なのですが。

アルスとともに、仲間たちも大きく成長していきます。未読のドラクエファンはもちろん、壮大な世界観と大冒険物語を楽しみたいすべてのマンガファンにおすすめしたいタイトルです。


ドラゴンクエストの美しく壮大な世界。カラー原稿も豊富

バラモスとゾーマが倒されてから100年後が、本作の舞台。ストーリーがゲームとしっかり繋がっている胸アツさ

右下、おなかの中にいるのが、主人公となる将来の勇者アルス

10年後、アルスは元気な少年に成長していた(上のコマ)

「ギラ」など、ドラクエ名物の魔法もバッチリ登場する。ちなみに、やられているのはリザードフライ