ごちそう続きの胃はこれでリセット。「賛否両論」笠原将弘のしみじみうまい和食【作ってみた】

暮らし

2020/1/10

『笠原将弘のいちばんおいしい冬レシピ』(笠原将弘/主婦の友社)

 冬は野菜がおいしい季節。大根、白菜、かぶ、ねぎ、春菊…。冬野菜が甘いのは、野菜が寒さから身を守るために糖分を増していくからだ。

 そんな冬が旬の野菜を家庭でもおいしく調理できる1冊が、予約が取れない和食店「賛否両論」の笠原将弘氏が責任編集する『笠原将弘のいちばんおいしい冬レシピ』(主婦の友社)。春・夏・秋と季節ごとにリリースされてきたが、この冬レシピでいよいよ完結。旬の食材をおいしく食べる“笠原流”のポイントがたくさん詰め込まれた1冊だ。

「冬は献立にあまり悩む必要はありません。寒空の下で甘みを蓄えた野菜がいい仕事をしてくれるので、煮物や鍋物を多めに作って何日かに分けて食べるだけでも、冷えた体を温めてくれます」と笠原さん。

 春・夏・秋レシピも簡単なのに本格派だったので、冬レシピも期待大!気になるレシピをいくつか作ってみた。

天かすの食感が楽しい「たぬき大根」(p.11)

 まずは冬野菜が主役のレシピより、天かすを使った大根の煮物をご紹介。大根は2cmの厚さに切って厚めに皮をむき、半月切りに。鍋に水から入れ、沸騰したら15分ほどゆでてザルに上げる。鍋にゆでた大根と、だし汁、みりん、しょうゆ、薄口しょうゆ、砂糖を入れて火にかけ、沸騰したら弱火で20分ほど煮込み、さらに天かすの半量、輪切りにしたなるとを加えて5分ほど煮る。器に盛り、残りの天かすを散らしてねぎを添え、七味とうがらしをかければ完成。

 時間をかけてコトコト煮込んだ大根は、ほくほくで甘みたっぷり。天かすを2回に分けて加えるため、煮汁のコクが増すだけでなく、サクサクとした食感も楽しめる。ごはんのおかずはもちろん、酒のつまみにも喜ばれそうな1皿だ(このレシピのみ、詳細を記事の最後に掲載している)。

白みそでやさしく仕上げた「春菊と甘栗の白あえ」(p.26)

 続いては鍋物にかかせない春菊を使った小鉢。しっかり水きりした木綿豆腐と、白みそ、はちみつ、サラダ油、薄口しょうゆをボールに入れて泡だて器でよく混ぜてペースト状にし、あえごろもをつくる。春菊は葉を摘んでさっと塩ゆでにし、しょうゆをまぶして汁けをしっかり絞り、ざく切りに。あえごろもに春菊、4等分にした甘栗を加えて和え、器に盛っていり黒ごまを振ればできあがり。

 春菊をあえごろもで和える前にしょうゆで洗うのは、味をぼやけさせない効果があるため。こういうプロの視点からくる料理のちょっとしたポイントが、この本にはたくさんちりばめられているのだ。

 食べてみると、甘みのある白みそがまろやかで、春菊の風味とマッチ。甘栗を料理に取り入れるのも、プロならではの発想だ。甘栗はコンビニなどでよく見かける市販のものでOK。春菊の独特の香りがちょっと苦手…という人もぜひ試してみてほしい。

土鍋でアツアツ!「豚バラトマト蒸し」(p.44)

 最後は土鍋を使った簡単蒸し料理。土鍋は保温性が高く、鍋の中身を包み込むように温めるので、素材のうまみをじっくりと引き出してくれる。

 トマト3個は6等分のくし切りに、玉ねぎ2分の1個は縦薄切りにする。豚バラ肉は5cm長さに切って、ごま油とみりん、しょうゆをもみ込む。土鍋にトマト2個分と玉ねぎを敷き詰めて水1カップを加え、その上に豚バラ肉を広げ、さらにトマト1個分を並べる。ふたをして中火にかけ、煮立ったら弱火にして10分ほど蒸し煮に。最後に粉チーズを振れば完成。

 豚肉をトマトではさむように並べたことで、トマトのうまみが鍋全体に行きわたり、コクのある味わいに。味付けは豚バラ肉をもみ込んだ少しの調味料と粉チーズだけなのだが、十分満足できる仕上がりだ。なにより土鍋料理はみんなで囲んでも楽しいのがいいところ。この1品はワインとの相性もよさそうだ。

 今回は3品作ってみたが、さすがはプロ直伝のレシピ。素人が作ってもちゃんとおいしく、おもてなし料理として誰かに出しても恥ずかしくない1皿ばかりだった。

 本書の後半には、チキンカツや肉じゃが、豚汁といった笠原流の定番おかずをまとめたページも掲載。毎日台所に立っている人も、本書を参考に作れば料理の腕がぐっと上がるはずだ。

文=齋藤久美子

「たぬき大根」レシピ

材料(2人分)
大根・・・400g
ねぎ・・・1/4本
なると・・・1/2本(60g)
天かす・・・20g
【A】だし・・・3カップ
  みりん・・・大さじ3
  しょうゆ・・・大さじ2
  薄口しょうゆ・・・大さじ1
  砂糖・・・小さじ1
七味とうがらし・・・少々

作り方
1.大根は2cm厚さに切って厚めに皮をむき、半月切りにする。水からゆで、沸騰したら15分ほどゆでる。竹ぐしがすっと通るくらいになったらざるに上げ、湯を切る。
2.ねぎは小口切りにする。なるとは7〜8mm厚さの輪切りにする。
3.なべに【A】、大根を入れて中火にかけ、煮たったら弱火にし、20分ほど煮る。天かすの半量、なるとを加え、5分ほど煮る。
4.器に盛り、残りの天かすを散らす。ねぎを添え、七味とうがらしを振る。