砂漠にたたずむ学ランの少年、その姿はどこかで…

更新日:2012/6/21

バビル2世 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 :
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:横山光輝 価格:324円

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『バビル2世』を読むことは僕にとっての、愛読していた漫画の源流を探るような作品でした。
その作品とは荒木飛呂彦氏の『ジョジョの奇妙な冒険』であります。いつか氏は、バビル2世の主人公である浩一という高校生が学ランで砂漠を歩き回るというシーンに感化されて、第3部の主人公である承太郎のファッションに取り入れたとあります。

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「なるほど、確かに主人公が学ランで冒険している」といざ読んでみて、そのいわれがようやく理解できました。今でこそ主人公が学生服で冒険するなんてあまり珍しいモノではないのですが、当時、少年や青年だった世代からすればとても新鮮で新しいものに映ったんでしょうね。

さて「能力モノ」というジャンルが飽和状態になっている昨今ですが、その土台を作ったのはおそらくはこの『バビル2世』が一端を担っていることでしょう。というのも「能力モノ」というものは神話の中では頻繁に出てくるものですが、それを少年活劇に落とし込むという画期的な発想をしたのが、その横山光輝氏だからです。

そしてその神話はしっかりと今作品の中にも生きています。
数千年前、バビルという異星からの渡来人が地球において神として振るまい、その文明を地球に残していったのですが、それを継承したのが主人公の浩一だということになっているのです。何とも大河的でおもしろい設定ですよね。そしてその文明こそ浩一に与えられた「能力」となるわけです。浩一はそれを使役し、使いこなし、友情を育み、世界の敵と戦っていくのですが、ここではその能力が何なのかは伏せておこうかと思います。

ずるいですが、それは本作を手に取ってご自身でお確かめください。きっとあなたの冒険心をくすぐってくれるはずです。


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