2012年、映画化決定!普通でいたい…いられない。
更新日:2011/10/7
ヒミズ (1)
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : 講談社 |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:古谷実 | 価格:540円 |
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みなさん、おはようございますコンニチハ今晩は。
なんせ「行け! 稲中卓球部」通称「稲中」が大好きな中國卓郎です。
本書「ヒミズ」は、タイトルの意味こそサッパリ不明ですが「稲中」と同じく、古谷実さんの作品であると言う事はハッキリしとります。そして本書は4本目の連載作品であるのと同時に「漫画家・古谷実」を語る上で避けては通れない、ひとつの「分岐点」である事もハッキリ…していると思います多分!
「稲中」の“笑撃”で日本中の思春期男子を悶絶させて以降、古谷さんの作風は徐々に変わっていきました。目一杯「笑い」に振れていた目盛りが、少しづつ「哲学」へと振れていったとでも言いましょうか…それはまるで昼間の太陽が沈み、月の輪郭がクッキリ際立つ過程の様にゆっくりと、しかし確実な変化でした。そしてほぼ全ての読者が「あれ? いつのまにかスッカリ日が暮れてんじゃん!」と、気づいた作品、それがこの「ヒミズ」だったのです。
主人公の住田は中学三年にして既に人生を達観している。誰にも迷惑をかけず、そして誰からも迷惑をかけられず、普通に生きて普通に死ぬのが彼の人生の最終目標である。一巻冒頭で彼は言う。
「要するにだ…普通ナメんな! 普通最高!!」
しかし残念な事に漫画、しかもわりと雰囲気ダークな本作品の主人公であるからして「普通」に過ごせる訳もなく…
「だからって何でそう言う行動に出るかなオイ!」
と、ツッコミを入れたい行動&展開を見せながら、物語の重力加速度は読者すら問答無用と言わんばかりにグングン増して行きます。だもんで読み手にも、ちょいと体力…と言うか精神力が必要かもしれません。特に最終巻の後半はズッシリとしたドンヨリが、ゴッソリと気力を吸い取りに来やがります!そんな時は、心ゆくまでその雰囲気にドップリ浸るのも良いですし「それがどうしたぁああ!」と、跳ね除けて、明日からまたガハハと笑って過ごすってのもアリです! 即ち、
読書、それは時に格闘である!
そう言う意味では、本書は中々に手ごわい好敵手(勿論ライバルと読む!)になり得るのではないか? と思う次第です。
一巻前半、キレがあります!この辺りはまだ「あの頃」の面影が
この独特の間や台詞、コレが気持ち良いんです
意味はないです! ただ私、中國の趣味がジョギングなもんで(笑)
イケてないけどなぜかモテる。これぞ古谷ワールド! 羨ましいなぁオイ
誰だ! アンタ!? (C)古谷実/講談社