終戦後も戦争は心に残り続ける…『ペリリュー』最終巻に「この巻だけでも読むべき、素晴らしいクオリティ」と大きな反響!

マンガ

公開日:2021/8/12

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─
『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』11巻(著:武田一義、原案協力:平塚柾緒[太平洋戦争研究会]/白泉社)

 武田一義氏の人気作『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』のコミックス最新11巻が、2021年7月29日(木)に発売された。ついに完結となった同作に、読者から数多くの反響が寄せられている。

 同作は太平洋戦争の中でも狂気の戦場と称された「ペリリュー島の戦い」を題材にした作品。重厚なストーリーをデフォルメ調のやわらかいタッチで描いており、そのギャップに惹かれる人も少なくない。

 識者から「視覚的衝撃が少ないながらも、戦時中の“怖さ”をしっかりと感じられる」などと評されることもあり、マンガファン以外の支持者も多い。戦争を恐ろしく、かつマンガとして楽しめるように描写した“新しさ”も相まって、2017年には「日本漫画家協会賞」優秀賞を受賞している。

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 物語の主人公となるのは、兵士の最期を遺族に伝える「功績係」に任命された田丸一等兵。田丸たちは凄惨な戦争を必死で乗り越えるものの、その後にやってきた“終戦”がさらなる混乱をもたらす…。

 最新11巻で描かれるのは、終戦からおよそ70年後の物語。ペリリュー島を訪れた漫画編集者の後村は、祖父である田丸の足跡を辿っていく。そうして生き残った兵士がどのようにして長い戦後を生きたかを知るのだった――。

 語られるのは、帰国直後の日本の姿、亡くなった戦友の家を訪ねた時のこと。伝えたかった真実や語るべきでない現実、そのどちらもが平和な時代を生きる私たちの胸を貫くだろう。

 これ以上ないラストを迎えた同作に、ネット上では「正直この巻を読むまで、これ以上何を書くんだと思っていました。でも読んだ後だから言えるのですが、間違いなくこの巻はタダの後日談やエピローグや蛇足なんかでは決して無い」「エピローグが中心の、いわばオマケであり、読まなくてもいい。とんでもない。むしろこの巻だけでも読むべき、素晴らしいクオリティの最終巻だった」と絶賛の声が多く見受けられた。

 また最終巻の発売を記念して、全国の書店でフェアも実施。11巻を購入すると、対象店舗によって異なるイラストやマンガが描かれたおまけカードが手に入る。

 コミックス10巻の後日譚として描かれた最終第11巻。これまでの総決算となる展開が待ち受けているので、その終着点を是非その目で見届けてもらいたい。

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