【ネタバレあり】『ONE PIECE 101』太陽の神の存在を知るジンベエと大剣豪の血筋を連想させるゾロの謎、そしてカイドウとの激突の行方は…?

マンガ

公開日:2021/12/7

※本記事にはネタバレが含まれます。ご了承の上お読みください。

『ONE-PIECE 101』(尾田栄一郎/集英社)

 現在、麦わら海賊団には、船長のルフィを含め、10人の船員がいる。このうちルフィ、サンジ、ロビンに関しては、過去編が描かれた。ウソップとチョッパーも、幼少期の様子がかなり描かれている。

 言い換えれば、残りの5名に関しては、過去編が描かれる可能性が残っている。もちろん描かれない可能性もあるし、過去編というよりダイジェストでサクッと描かれる可能性もある。

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 いずれにせよ個人的に可能性が高そうだと思っているのが、海賊に捨てられたフランキーと、第二の人生を歩むブルック。そして、尾田先生の短編集『WANTED!』の「MONSTERS」で登場した、大剣豪リューマの姿に似ているゾロではないか。

 剣士の誇りを持つところ、龍の首を切り落としたところなど、小さな所作を含め、ゾロとリューマの共通点は意識してしまう。質問コーナー「SBS」でリューマが話題に上り、ワノ国の出身者・霜月コウ三郎が、ゾロの生まれたシモツキ村を作ったエピソードも見逃せない。

『ONE PIECE 101』(尾田栄一郎/集英社)では、ゾロの過去、もしくは血筋の謎が今後描かれそうな期待感を得た。侍たちの討ち入りが佳境を迎え、四皇との戦闘が激化する中で、またひとつ、物語のピースが加えられていく。

太陽の神の存在を知るジンベエ

 打倒カイドウ、打倒オロチ。錦えもん率いる侍たちの討ち入りは、3万vs. 5000という絶望的な戦力差で始まった。しかし麦わら海賊団を筆頭とした海賊たち、ミンク族たちの活躍と、百獣海賊団の内紛も相まって、みるみる勢力図が変化。2万vs. 7000にまでもちこむ。

 さらに悪魔の実の能力を持つお玉のきびだんごの効果で、百獣海賊団の幹部“真打ち”たちも寝返り、確実に討ち入り勢力が押し始めてきた。

 それでもカイドウを筆頭に、「大看板」と「飛び六胞」が立ちはだかる限り、絶望的な状況であることは変わりない。ナミとウソップがうるティと、フランキーがササキと、ロビンとブルックがブラックマリアと交戦する中で、気になるシーンを見つけた。ジンベエとフーズ・フーの戦闘で交わされた会話だ。

 飛び六胞のフーズ・フーは、政府の裏の諜報員「CP9」のメンバーだった過去がある。エニエスロビーでルフィとロブ・ルッチが死闘を繰り広げた記憶がよみがえる。あの暗殺集団の一員だったわけだ。

 しかしフーズ・フーは失態を犯す。12年前、政府の船で、ある悪魔の実を護送していたのだが、ある海賊に襲撃され、奪われてしまう。その失態が影響してか、フーズ・フーはインペルダウンに投獄。そこで看守からひどい罰を受けながら、こんな機密情報を聞いてしまう。

おれはヒドイ罰を受けながら……それに祈れと笑われた!!
太古の昔に…奴隷逹がいつか自分逹を救ってくれると信じた伝説の戦士だそうだ!!
「太陽の神ニカ」!!!
実在したのか妄想か…
人を笑わせ苦悩から解放してくれる戦士

 どうでもいい寓話に聞こえるが…なんとそれを話した看守は、後日消されてしまった。太陽の神の存在がにわかに現実味を増してくる。

 だからフーズ・フーは、かつて「タイヨウの海賊団」を率いたジンベエに、ニカの存在を聞こうとした。しかし「魚人の歴史は奴隷の歴史だろ?」と挑発したことで、カチンときたジンベエに鬼瓦正拳で粉砕されてしまう。そのときジンベエは、こんなセリフを叫んだ。

おんどれ歴史に口を挟むなら…!!
ハンパな覚悟で踏み込んで来るな!!

 ジンベエは太陽の神ニカのことをすでに知っているらしい。さらに、本稿では伏せたが、フーズ・フーが護送した悪魔の実と襲撃した海賊に関して、本編では明かされている。読んだ人は驚くだろう。この2人の会話は、ワンピースの世界を知るうえで重要なヒントになりそうだ。

ゾロはワノ国の大剣豪の血筋を引いている?

 一方でドクロドームのライブフロアは、大看板のキングとクイーンを止めることができず、絶望的な状況だった。2人を阻んだマルコもさすがにダウン、サンジも必死に止めようとするが、2人相手は厳しい。もうダメかと思われたとき、カイドウとの戦闘で瀕死だったゾロが、ある方法で復活。サンジと一緒に、大看板2人に一撃を食らわす。その見開きのシーンが、エニエスロビーで裁判所の壁を吹き飛ばしたシーンにそっくりだ。うーん、またエニエスロビー編を読みたくなる演出。

 ゾロとキング、サンジとクイーン、麦わら海賊団の両翼と、百獣海賊団の大看板による激闘が始まった。このときマルコとクイーンのセリフから、キングの素性とレッドラインの謎を知るのだが…そんなことも吹き飛ぶ大きな謎が浮上する。ゾロの血筋だ。花のヒョウ五郎親分と、赤鞘九人男・河松の会話に注目してみよう。

 2人の話では、ゾロは「鈴後」の大名、霜月牛丸にそっくりだという。その牛丸は、“刀神”霜月リューマの子孫にして大剣豪。ゾロが“秋水”をワノ国に返したことも運命に感じるそうだ。

 話が少し飛ぶが、カイドウの息子・ヤマトの回想にも注目したい。幼少期、光月おでんに憧れ、おでんを名乗るヤマトは、業を煮やしたカイドウに捕らえられ、天の岩戸に閉じ込められた。その中にはワノ国の侍3人も閉じ込められていた。刀で鎖をいとも容易く斬るシーンがあり、かなり腕の立つ侍なのだろう。

 なんと、そのうちのひとりがゾロに似ているのだ。彼らは、ヤマトが持っていた航海日誌を読み、おでんが指す「20年」は待てないと決断。お腹をすかせて餓死しそうなヤマトを生かすことで、未来の戦に参戦することにした。

 まだはっきりとしたことはわからない。しかしゾロの体に、ワノ国の大剣豪の血が流れていてもおかしくない話の流れだ。ならば、話の結末はどこへ向かうのだろうか? ゾロが大剣豪の血筋を引いていたとして、それが何を意味するのか? 想像が膨らむばかりで悶々とする。

この世に龍は二匹要らねェんだよ!!!

 前巻で、カイドウに海へ投げ捨てられたルフィ。危うく死ぬところだったが…ローの仲間たちに海中で拾われ、奇跡的に生き延びる。そして、ある方法で再びドクロドームの屋上へ降り立つ。カイドウとの対峙はこれで三度目だ。

 このときカイドウはこう叫んだ。

この世に龍は二匹要らねェんだよ!!!

 果たしてこの言葉が何を意味するのか? それは最新刊101巻で確かめてほしい。

 侍たちの討ち入りが佳境を迎え、カイドウやビッグ・マムとの死闘が激化する中で、またひとつ、物語のピースが加わった。ワンピースは、本当に謎が多くて、気になることがたくさんある作品である。

文=いのうえゆきひろ

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