シェイクスピア『オセロ』あらすじ紹介。部下にハメられ、妻への愛が恐ろしい嫉妬に変わった。その狂気の行き着く先は…

文芸・カルチャー

公開日:2023/4/6

 イギリスを代表する劇作家のシェイクスピア。彼は数多くの戯曲を書き遺しました。『オセロ』はシェイクスピアの四大悲劇のなかのひとつですが、実は内容を知らない人も多いのではないでしょうか。そこで、シェイクスピアの『オセロ』について作品を解説し、登場人物とあらすじを紹介します。

オセロ

『オセロ』の作品解説

『オセロ』はイギリスの劇作家であるウィリアム・シェイクスピアが1602年に発表した悲劇です。『リア王』『ハムレット』『マクベス』と並んでシェイクスピアの「四大悲劇」として有名な作品です。シェイクスピアの悲劇のなかでは最も分かりやすい内容であるとも言われています。

『オセロ』の主な登場人物

オセロ:ヴェニスの将軍。ムーア人。

デズデモーナ:オセロの妻。父親の反対を避けるため、駆け落ちのようにオセロと結婚した。

イアーゴー:オセロの部下。オセロのことを嫌っている。

キャシオー:オセロの副官。優しい性格で、それゆえにイアーゴーに利用されてしまう。

ブラバンショー:デズデモーナの父。

エミリア:イアーゴーの妻。オセロに真実を伝える。

『オセロ』のあらすじ​​

 ヴェニスの軍人であり、ムーア人(黒人)のオセロ。彼は美しいデズデモーナと愛し合い、彼女の父親であるブラバンショーの反対を押し切る形で、半ば駆け落ちのように結婚する。

 オセロを嫌う部下のイアーゴーは、自分を差し置いて昇進した同輩のキャシオーを妬んでいた。そこで、イアーゴーはキャシオーがデズデモーナと密通しているというウソをオセロに告げる。ウソに真実味が増すように、イアーゴーはオセロがデズデモーナに送ったハンカチを盗んでキャシオーの部屋に置き、巧妙にオセロを陥れていく。

 オセロは、イアーゴーのウソを信じてしまい、怒りのあまりイアーゴーにキャシオーを殺すように命じる。そして激しい嫉妬に苦しみ、オセロは自らの手でデズデモーナを殺してしまう。しかしその直後、イアーゴーの妻エミリアが、ハンカチを盗んだのは夫であると告白し、オセロは真実を知る。その後、イアーゴーは妻のエミリアを刺殺して逃げるが、捕らえられる。

嫉妬に狂い、妻を自らの手で殺めたことを嘆くオセロ。デズデモーナに口づけをしながら、同じ場所で自らの命を絶った。

<第63回に続く>

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