『オオカミ少年』あらすじ紹介。オオカミ少年効果とは? 慣れと嘘が重なった時、悲劇が起こる

文芸・カルチャー

公開日:2023/11/2

 童話『オオカミ少年』がどんな話だったか、あなたは思い出せますか? 近年の絵本などでは、別の邦題が与えられている場合も多くあります。本稿ではあらためて、よく知られた童話である本作のあらすじを思い起こしてみましょう。

オオカミ少年

『オオカミ少年』の作品解説

『グリム童話』と並んで日本でも広く知られている『イソップ童話』を原典とした本作は、『羊飼いと狼』『嘘つきな羊飼い』『狼が来たぞ』など、同じ筋書きでも多くの邦題がつけられています。いずれにせよ、この童話がもととなった「オオカミ少年」という言葉は「繰り返し嘘をつく人」の代名詞として使われるようになりました。

 また、この言葉から派生して「災害警報などが何度も空振りに終わるうち、油断して誰も避難しなくなること」を「オオカミ少年効果」と呼ぶことがあります。

『オオカミ少年』の主な登場人物

羊飼いの少年:一日中羊を監視する仕事に退屈している。

村の大人たち:羊を守るため、狼退治に現れる。

『オオカミ少年』のあらすじ​​

 仕事に退屈した羊飼いの少年は、「オオカミが来たぞ!」と叫んで大人たちを脅かすことを思いつきます。まんまと騙された大人たちに味を占めた少年は、頻繁に「オオカミが来たぞ!」と叫んでは大人たちを慌てさせ、その様子を見て笑っていました。

 そんなある日、なんと本当にオオカミがやってきます。少年は「オオカミが来たぞ! 今度こそ本当に来たんだよ!」と必死に叫びますが、大人たちはどうせまたイタズラだろうと考え、誰も家から出てきません。そのうちとうとう、少年の羊は狼に食べられてしまうのでした。

『オオカミ少年』の教訓・感想​​

『オオカミ少年』は、頻繁に嘘をつく人がやがて誰からも信用されなくなってしまうということを教訓として伝えています。おそらく羊が食べられてしまった後、少年は大人たちに怒られたでしょうし、後悔したことでしょう。嘘が取り返しがつかない事態を招くことも往々にしてあると言えます。

<第47回に続く>

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