塾の「合格実績」を信じ切るのは厳禁! 失敗する塾選びのパターン3選

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公開日:2024/5/3

子どもを中学受験させるか。どの中学校を目指すか。塾はどこを選ぶか。
そして、どうすれば合格させられるのか――。

中学受験のはじめ方』は、子どもの中学受験に悩む親にオススメしたい本です。

中学受験で受かるために必要な、「知識」と「覚悟」がすべて詰まっています。
受験成功に必要なのは親の「知識」と「覚悟」なのです。

YouTubeチャンネル登録者数9万人超えの「にしむら先生」が、中学受験を考えたときに「やるべきこと」をゼロからわかりやすく教えてくれます。
2024年現在の中学受験事情を網羅した1冊を、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事は書籍『中学受験のはじめ方』(西村創/KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

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中学受験のはじめ方
『中学受験のはじめ方』(西村創/KADOKAWA)

中学受験のはじめ方

 私は入塾説明会に参加したり、問い合わせをしてくださったりした方に、「こちらの塾に関心を持ったきっかけを伺えますか?」という質問を必ずしていました。

 すると、「息子の周りの子たちも通っているので」とか「家が近いから」「有名だから」などとおっしゃる方がいらっしゃいます。

 考えてみてほしいのですが、近所に住んでいるからという理由で、結婚を決めませんよね。でも、塾選びだとやってしまうのです。

 じっくり考えて決断した結婚でさえ、日本では3組に1組が離婚するわけです。安易に塾を決めると、後々退塾を考えることになりかねません。このテーマでは、私の経験上、こういう形での入塾は失敗しやすいというケースをいくつか紹介していきます。

NGパターン1 友達に誘われての入塾

「友達」というのはママ友、子どもの友達の両方のケースがあります。ママ友からの場合は、紹介というよりも、「やっぱり中学受験をするならSAPIX」とか「浜学園なら安心」といった言葉を耳に挟み、それならと勇んでわが子に入塾テストを受けさせるパターンですね。

 こうしたきっかけの場合、私の体感では約半数のお子さんは退塾することになります。

 また、子どもの友達からの紹介も要注意です。

 もちろん、気に入っている塾に一緒に通いたいから、という場合もあるでしょう。でも中には、友達が入塾すると、誘った塾生にインセンティブとして金券を配るような塾もあるのです。

 塾は塾ごとにカラーが大きく異なりますし、校舎ごとに雰囲気も指導力も異なります。詳しくは塾比較の第4章(137ページ)を読んでもらえたらと思いますが、ママ友のお子さんや子どもの友達には合っている塾でも、わが子にも合うとは限りません。また、同じ塾の同じ校舎であっても、クラスが異なれば担当講師も異なります。

 塾は、塾のコンセプトとご家庭の方針、そして何よりわが子と講師の相性を優先して選ばないと、失敗する可能性が高くなります。

NGパターン2 合格実績にひかれての入塾

 塾のチラシや看板に大きく打ち出される合格実績ですが、塾の指導力を測る指標になるかというと難しいところです。

 毎年高い合格実績を出している塾には、入塾時点ですでに高い学力がある子が集まります。そのような塾では、できない生徒の面倒を見なくても、保護者がわが子を個別指導に通わせたり、家庭教師をつけたりすることが多いのです。その個別指導や家庭教師のおかげで合格したとしても、塾に通っていれば、塾の合格実績としてカウントされることになります。

 合格実績を水増しする塾も後を絶ちません。提携した他塾の生徒の合格実績を自塾の合格実績に含める塾もあります。途中で退塾したり、1回だけ自塾の模試を受けたりしただけの他塾生まで合格実績に含めて、問題となった大手塾もありました。

 そもそも、合格実績は、各社自社基準でカウントされています。合格人数が多くても、不合格者も多かったら合格率は低いわけですが、都合の悪い数字は伏せられていることがほとんどです。華々しい合格実績に目を奪われないよう気をつけましょう。

NGパターン3 経済的に余裕のない状態での入塾

 くり返しますが、入塾前に月謝を確認し、これくらいならなんとか払えそうだと思っても、いざ入塾すると想定以上にお金がかかります。月謝以外に、テキスト代や模試代、講習会の費用、オプション講座の費用など、年額トータルでいくらかかるのか、受験学年になるといくらかかるのか、大まかな試算をしてからの入塾をおすすめします。

 それでも、ホームページに月謝を載せていない塾が多いですし、載せていても見つけにくいところにひっそりと出して、しかも小さな字で注釈が添えられていたりするものです。特にオプション講座は、どのタイミングでどんな講座を勧められるのか、いくらかかるのかという情報が、ほとんど表に出されません。

 入塾前に、月謝以外に発生する費用、年額の費用、今後の講習会やオプション講座の費用も聞いておくことをおすすめします。「今年度のオプション講座についてはまだ検討中です」と教えてもらえない場合は、昨年度のものを参考までに聞いてみましょう。

▶【後編へ続く】「家だと勉強しないから」という理由で塾に通うのは無意味? 何年生から塾に通うべき?

<第4回に続く>

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