神々しいまでの純愛、映画『ムーンライト』

BL

2017/4/4

(C)2016 A24 Distribution, LLC

 こんにちは! BLラバーのミートミックです。

 さて、今回は映画のご紹介です。アカデミー賞作品賞などを受賞して話題の『ムーンライト』。成長過程で愛を与えられなかったシャロンの人生と、至高の愛の物語です。

 印象を一言でいうなら「うつくしい映画」でした。イケメンや美女は出てきません。舞台は治安の悪い街で、シャロン少年はひどいいじめに遭っていて、母親のポーラはジャンキーでネグレスト。唯一彼を気にかけてくれる大人の男・フアンは麻薬のディーラー。それなのに、なぜか映像のきれいさがやたらと心に残り、俳優たちもどんどんうつくしく見えてくる。最後には、描かれているストーリーも映像も、すべてが完璧で、まるで宝石のようだと思いました(映像はデジタル処理でブルーを足すなど加工されているそうです)。エグゼクティブプロデューサーはブラッド・ピット。

 主人公シャロンの心の奥底に、自分ではさわれない、とてもやわらかくて無垢な場所があるのです。本人以外は誰も知らない(ひょっとしたら本人ですら気がついていない)繊細な場所。一生に一度でも、愛する人にそこに優しく触れられるのと、触れられないのでは、人生が一変してしまうような場所。

 その場所の煌めきはうつくしすぎて、今も思い出すとまぶしさに目がくらみます(余韻……)。

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 ところで、BLには、耽美・JUNEの時代から現在に至るまで連綿と、なんらかの事情で愛を得られずに育った登場人物が、たった一人の相手に出会うことで欠けていることに気付いたり、欠けていたピースが埋まったりという魂の救済の物語があって、傑作も多いです。

 魂の救済はBLに限らず普遍的なテーマですが、愛を描くことが至上命題のBLとはとりわけ相性がよく、ジャンルの黎明期から描かれ続け、愛され続けています。不朽の名作だと、何度読んでも感動しかない『ニューヨーク・ニューヨーク』(羅川真里茂/白泉社)、最近話題の本だと『ビッチなスズキくん』(三原可楠/東京漫画社)などもそうですね。

『ムーンライト』をBLだとカテゴライズするつもりはないですが、BLで愛されている魂の救済の物語なので、この映画が響く有識者の方は多いと思います。神々しいまでに純粋な愛の物語、とても美味しいです(牛のように反芻)。

 エンディングもおとぎ話の最後のページのようでした。ロマンチックな王子☓王子の夢のようなおとぎ話。

 切なくうつくしいBLが好きな人は観て損はありません。痛々しくて無垢で目が離せない、という観点から木原音瀬作品が好きな方にも親和性が高いかと。

 BLってほんとうにすばらしいですね! それでは、次回の作品をお楽しみに。

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『ムーンライト』
TOHOシネマズ シャンテ 他にて公開中
配給:ファントム・フィルム 
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公式サイト:moonlight-movie.jp