「本業を収入源にするな。」西野亮廣『新・魔法のコンパス』⑧

ビジネス

2019/7/12


“現代の革命家”西野亮廣氏の10万部のベストセラー、『魔法のコンパス』から3年。時代に対応し、西野氏が「1時間前後で読める本にする」という意図で執筆した文庫本が『新・魔法のコンパス』(KADOKAWA)だ。めまぐるしくルールが変わる現在、そして未来の歩き方とは?

【第1章 お金】

本業を収入源にするな。

 職業の掛け合わせの話をしたので、ここらで「本業」について一緒に考えたいと思う。

 キミは「本業」について真剣に考えたことがあるかな?

「本業」って、なんだろう?

 多くの人は、「本業=メイン収入」「副業=サブ収入」みたいな感じで決着をつけているけど、キミはどうだ?

 もしキミがこの感じで「本業」と「副業」を捉えていると、この先、結構厳しい戦いになってくると思うよ。

 どういうことか説明するね。

 西野亮廣の本って、そこそこ売れているらしいけど、印税は何に使っているの?

 生々しい話になってくるけど、腹を割って話すよ。

 たとえばボクは、こうして作家の顔も持っている。

 作家のメイン収入といえば「印税」で、印税の相場は、大体売り上げの10%ぐらいかな。

 1500円の本が1冊売れたら、150円が作家に入る。

 ボクは、これまで、絵本やビジネス書を数冊出させてもらっていて、累計発行部数が100万部を突破しているので、けっこう売れっ子の作家さんだ。

 印税もたくさん貰っているに違いない。

 ところがボクの銀行の口座には、本の印税は残っていない。

 理由は、頂いた印税を「新刊の広告費」に充てているからだ。

 ちなみに、71〜72ページは毎日新聞の一面なんだけど、出版社が買ったわけじゃなくて、ボク個人で買ったんだ。

 新宿駅の巨大看板(73ページ上)も、『ゆりかもめ』を新刊の広告でジャックしたのも(同下)、ボク個人に入る印税を使って、広告枠を買っている。

 当然、この調子でお金を使っていると、本の印税なんて跡形もなく消し飛ぶ。

 ワケが分からないよね。

 キングコング西野ときたら、そこそこベストセラーを出しているのに、印税を1円も受け取ろうとしないんだ。

 キングコング西野は、どうして、こんなバカなことをしているんだろう?

 そのカラクリは、ボクが運営しているオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』にある。

 そもそも「オンラインサロン」って何?

 ここで、あらためてオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の説明をさせていただくね。

 オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』は月額1000円の会員制コミュニティーで、絵本やWEBサービスや美術館など、ボクが世の中に発信しているエンターテイメントは、全て、ここから生まれている。

 絵本最新刊『チックタック〜約束の時計台〜』(幻冬舎)も、TOYOTAさんのラッピングカーのデザインも、ここから生まれた。

 ちなみに現在、『西野亮廣エンタメ研究所』のメンバーは2万3000人で、国内最大。

 単純計算すると年間で2億7600万円の売り上げ。

 すごい額だよね。

 キングコング西野が使う年間2億7600万円の予算の行方

 誤解が生じないように、ボクの目的を明確にしておく。

 ボクは貯金や贅沢の類には一切興味がない。

 パフォーマンスじゃなくて、本当に興味がないんだ。

 コンビニの蕎麦と缶ハイボールで毎日を過ごしていて、それだけで十分幸せ。

 生活は質素そのもので、その時、お付き合いしている女の子からは結構ガッカリされるよ。

 ボクの目的は「誰も見たことがないエンターテイメントを作ること」これに尽きる。

 よって、年間2億7600万円というオンラインサロンの売り上げは全額エンターテイメントにブチ込んでいるんだ。

 現在建設中の美術館の建設費もここから出ている。

 まあ、ぶっちゃけ、「税金」でかなり持っていかれるんだけど、ちょっと計算が複雑になっちゃうので、ここでは「税金」を抜きにして話をさせてもらうね。

「印税」と「オンラインサロンの売り上げ」は、どっちが大きい?

 たとえば1500円の本の印税で、2億7600万円の予算を用意しようと思ったら、毎年コンスタントに184万部のミリオンセラーを出し続けなきゃいけない計算になる。

 さすがに、ちょっと現実味がないよね。

 そこで、本の印税を全て「広告費」に回して、一人でも多くの人に本を届け、そしてオンラインサロンメンバーを増やすことにしてみた。

 当然、本の内容もオンラインサロンに興味を持ってもらえるようにする。

 こうすることで、ボクがエンタメに投資できる額は大きくなる。

 もう一度、言うね。

 ボクの目的は「誰も見たことのないエンターテイメントを作ること」だ。そのエンターテイメントを作るのには多くの予算が必要になってくる。

 となると、目的に対して正しいアプローチは、「本の印税を頂くこと」ではなくて、「オンラインサロンのメンバーを増やすこと」となる。

 作家として生きているわけだけれど、収入源を本業でも何でもない「オンラインサロン」に置いていて、「本業=メイン収入」とは、していないんだよ。

 これ、結構大事な話なので、もう少し続けるね。

■まとめ
本業を主な収入源にすると、今後結構厳しい。
キンコン西野の目的は、「誰も見たことがないエンターテイメント」を作ること。
キンコン西野の生活は質素そのもので、その時付き合っている女の子にガッカリされる。

<第9回に続く>

・Twitterなんて今すぐ辞めて“鎖国”すべき? キンコン西野亮廣が見出した、激変する今の生き方
・まぼろしの最終話!西野亮廣『新・魔法のコンパス』「不安定たれ」【ダ・ヴィンチ限定公開】