地名は浅草(あさくさ)なのになぜ浅草寺(せんそうじ)?/日本人の9割が知らずに使っている日本語①

文芸・カルチャー

公開日:2020/2/3

ウソをつくなというとき、なぜ「ウソいえ!」と反対にいうの?
…外国人にそう聞かれたら、日本人としてきちんと答えられますか。いわれてみると確かに疑問だらけの「いつもの日本語」を再発見してみましょう!
雑学・豆知識としても役立つトピックを『日本人の9割が知らずに使っている日本語』(岩田亮子/青春出版社)から紹介します。



地名は浅草(あさくさ)なのになぜ浅草寺(せんそうじ)?

 東京で人気の観光スポットである「浅草」。外国人の観光客も多く訪れています。浅草で有名な場所と言えば、東京最古のお寺である浅草寺ですが、これは「あさくさでら」ではなく「せんそうじ」と呼びます。

 地名は「あさくさ」なのに、「寺」が付くと「せんそうじ」になるのはなぜなのか。その理由、外国人観光客ばかりでなく、日本人でも知らない人が多いのではないでしょうか。


 答えは「お寺だから」です。

 お寺は仏様が祀(まつ)られている場所。仏教は、おもに中国を経由して日本に伝来しました。その影響で、お寺の名前には中国の漢字の読み方である音読みが使われることが多いのです。

 その証拠に、浅草寺の隣には浅草神社がありますが、読み方は「あさくさじんじゃ」。神社は、日本古来の神様を祀っている場所なので、読み方も日本古来の和語や大和言葉(やまとことば)にならった「訓読み」となることが一般的です。

 ただ、訓読みのお寺がないわけではありません。

 有名なところでは、京都の「清水寺」は「きよみずでら」で、牛若丸の伝説で有名な「鞍馬寺」も「くらまでら」と訓読みします。このように、訓読みが定着したお寺も例外的にあるのです。


【次回に続く】