「大企業だから安心」の思考停止は危ない! 知名度とブランドより大切なこと/『新しい転職面接の教科書』⑥

ビジネス

公開日:2020/5/3

面接において、一番理解しておくべきことは「面接には作法がある」ということです。「いやいや実力があれば関係ないでしょ」と思われる方もいるかも知れませんが、そんなことはありません。目からウロコの「採用の本質」を知って最強の内定を手に入れませんか。

『新しい転職面接の教科書~「最強の内定」を手に入れる!』(福山敦士/大和書房)

会社選びの肝③

○知るべきポイント 大企業だから、という思考停止は危ない

「若者の大企業離れ」が各地で起きています。「会社に入れば安定でしょ」という考えが間違っているのと同じように、「大企業だから安心」とは、もはや言えない時代になってきています。これは経営者目線になればわかりやすい話ですが、会社の規模が大きくなればなるほど舵を切りづらいという側面があります。

 例えば、トヨタなどは車産業によって、子会社も含めると何十万人ともいえる規模の人材を雇用しています。だからこそ、自動運転技術を簡単に認めてしまうと雇用しているうちの一定の割合の人の仕事がなくなる可能性があります。そうすると、グーグルがいくらそれを推進していても、簡単にはその方向を受け入れづらくなリます。印刷業界も同様で、ネットビジネスをもっとやらなければいけないという課題がある一方で、従来の印刷技術でやっている人たちのほうが多いため、あまり急にそこを広げられないという現象がありました。このようなイノベーションのジレンマは各業界で起きています。一方、小さい会社はピボットしやすいので、「はいこれダメ、次!」と転換しやすいのです。大きいから安定というのは、むしろ逆と捉えたほうがいいかもしれません。大きい荷物を抱えて走ったほうが、転んだ時の被害が大きいのです。

若者の親世代の困難への直面

 僕自身、若い人たちの変化を実感しています。社会人になってから毎年、大学生向けの就活相談会を続けていますが、2010年代前半は「安定した会社に入りたい」「大企業に入りたい」という意向が顕著でした。一昨年くらいから「手に職をつけたい」「自分の実力をつけてキャリアアップ前提で就職したい」という子たちが増えてきているのです。これは世代的に、大学生の親御さんが管理職の年代で自分たちも定年まで安泰でないことを実感しているからです。親自身も以前のように「公務員になりなさい」「大企業に入りなさい」と言えなくなってきている時代なのです。自分のやりたいことが大企業でしか実現できないケースもあると思いますが、単にブランドで選んでいないか、知名度だけで選んでいないかということは改めて自己認識しておいた方がいいでしょう。

アドバイス:「これから大きくなる会社」を選ぼう

<第7回に続く>