新型コロナウイルス、大不況…。不安が多い自営業のための“手間や時間がかからない”お金の管理術/フリーランス、自営業のためのお金の超基本②

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公開日:2020/5/24

フリーランス、自営業がコロナショックを生き抜くための決定版! 人気家計再生コンサルタントがお金の管理術を丁寧に解説します。フリーランス、自営業だからできるお得な「お金の話」を大公開。

『ゼロからわかる! フリーランス、自営業のためのお金の超基本』(横山光昭/アスコム)

はじめに

定年はなくても、いつまでも働けるわけではない

 こんにちは。家計再生コンサルタントの横山光昭です。

 今、この本を手にしている人のほとんどは、フリーランスもしくは自営業者として働きつつ、ご自分の今後の生活や将来に関して、何らかの不安を持っておられるのではないかと思います。

「収入はそれなりにあるし、ムダ遣いをしているつもりもないのに、なぜか手元にお金が残らず、貯金もできない」

「今はいいけれど、歳をとっても同じように仕事をもらえるのだろうか」

「病気やケガで働けなくなったらどうしよう」

「老後の資金として、年金以外に2000万円必要だと言われているけれど、目の前の生活でいっぱいいっぱいだし、退職金もないのに、2000万円ものお金を作れるだろうか」

 こうした悩みや問題を抱えている人は、たくさんいるのではないでしょうか。

 フリーランス、自営業の人は、ただでさえ弱い立場に立たされがちです。

 収入には波がありますし、いざというときに会社が守ってくれるサラリーマンと違い、退職金も社会保険も十分ではなく、病気やケガで働けなくなったら、たちまち生活に困ることになります。

 また、「フリーランスや自営業の人には定年がなく、何歳になっても働くことができる」といわれますが、たとえば、同年代以上の担当者とのつきあいが多い場合、その担当者たちが現役を退いたり会社を辞めたりすると、仕事が入ってこなくなるおそれがあります。

新型コロナウイルス、大不況…。経済状況の変化をダイレクトに受けやすい

 社会環境や経済状況の変化の影響をダイレクトに受けやすいのも、フリーランス、自営業の人たちです。

 2020年3月には、新型コロナウイルスの影響により、特に飲食業やエンターテインメント関係者が経済的な打撃を受け、フリーランスや個人事業主向けの支援策が講じられることになりました。

 その内容は、最初のうちは「委託を受け、個人で仕事をしている人が、2月27日から6月30日の間で、子どもの世話を行うために就業できなかった日について、1日あたり4100円(定額)を支給する」(小学校休業等対応支援金)というものや「無利子で20万円までの融資を受けられる」(緊急小口資金)というものでした。

 サラリーマンの場合は、小学校休業により休んだ間に支払われた賃金相当額(1日上限8330円)が事業主に支払われますが、フリーランスへの補償はその半額程度であったため、一時話題となりました。

 時間の自由は効くし、やりたい仕事ができる可能性も高いし、職場の人間関係のストレスからは解放されるけれど、主に金銭面で不安や悩み、トラブルを抱えることが多い。

 残念ながら、それが、フリーランス、自営業の人たちの実態です。

 また、好きな仕事ができること、人間関係のストレスがないことがフリーランスの長所なのに、お金がないばかりに、やりたくない仕事をやる羽目になったり、好きでもない人と仕事をしなければならなくなったりする恐れもあります。

 自由を求めてフリーランス、自営業という道を選んだのに、気がつけば、時間の自由もなくストレスだらけになっている。

 そんな人もいるのではないでしょうか。

お金を管理できず、生活苦に陥る人がたくさんいる

 私はこれまで、数多くのフリーランス、自営業の方の相談に乗り、家計を見てきました。

 その中で強く感じるのは、「ギャラの交渉をしっかりやり、日々の収入や支出を完璧に把握し、節税対策もきちんとやっている」という人がいる一方で、自分のお金をまったく管理できていない人もたくさんいるということです。

 特に、かつて十分な収入が得られていた時期もあったはずなのに、50代や60代になったとき、貯金がまったくなかったり、借金を抱えていたりする人もいますし、年金や国民健康保険料すら払っていなかった人もいます。

 お話をうかがっていると、

「忙しくて、いちいち収入や支出をチェックしていられない」

「サラリーマンと違って、収入にも支出にも波があるため、毎月何にいくら使い、いくら貯金する、といった計画を立てるのが難しい」

「将来仕事がどうなるかわからないのに、先の生活のことまで考えられないし、考えたくもない」

「年金なんて、払ったってもらえるかどうかわからない」

 といった理由から、お金を管理することを放棄し、「何とかなるだろう」とその場その場で必要なもの、ほしいものにお金を使ってきた結果、収入が少なくなると同時に生活苦に陥ってしまった……というケースが多いようです。

「お金を管理する」「お金をためる」「お金を増やす」。
やるべきことをシンプルにまとめた3ステップ

 こうしたリアルな声を踏まえて、フリーランス、自営業の人たちが、できるだけ手間や時間をかけずにお金を管理し、お金をため、お金を増やし、いざというときや老後のための資金を作ることができる方法を考えたいと思い、まとめたのが、この本です。

 この本は、次のような構成になっています。

 まず第一章では、フリーランス、自営業の人がおさえておくべきお金の超基本的な知識をまとめました。

 第二章から第四章までは、フリーランス、自営業の人が、今を楽しく生き、将来お金に困らないために必ずやるべきことを、「お金を管理する」「節税しながらお金をためる」「お金を増やす」の3ステップに分けて紹介しています。

 そして第五章では、病気やケガで働けなくなったり、不況にみまわれ仕事がなくなったりして、生活が立ち行かなくなったとき、何をすればいいのか、どこに頼ればいいのかをお伝えしています。

 時間がないという方には、ぜひ第二章から第四章までの3ステップだけでも読み、実践していただければと思います。

 家計簿をつける、複雑な計算をするなど、面倒なことはいっさい必要ありません。

 実際、私のところに相談に来られたフリーランス、自営業の方々にも、よくこの3ステップをご紹介するのですが、おかげさまで、

「それまで、10年かけて100万円ためるのがやっとだったけれど、3年間で500万円、8年間で1000万円ためることができた」

「お金の不安が少なくなったおかげで、余計な仕事を断れるようになり、一つひとつの仕事への集中力と精度が上がったし、自由な時間が増えた」

「お金が原因でぎくしゃくしがちだった家族の関係が改善された」

「老後の資金をためることができ、心配でしかなかった老後を楽しみに思えるようになってきた」

 といったご意見をたくさんいただいています。

 実は私自身、現在でこそこのような仕事をしていますが、もともとはお金にだらしがないほうでしたし、ファイナンシャルプランナーとして独立してしばらくの間は、収入も少なく、どうにも運転資金が足りなくて、金融機関から借り入れをしたりしたこともあります。

 しかしそんな私だからこそ、フリーランス、自営業の人たちの大変さはよくわかっていますし、どのようにお金を管理し、どのようにお金をため、増やすのが、みなさんにとって一番よいかもわかっているつもりです。

 2019年に内閣府が公表した推計によると、フリーランスとして働いている人は、306万~341万人。

 その中には、本業を持ちつつ、副業でフリーランスとして働いている人も含まれますが、フリーランス人口は今後も増え続けると考えられます。

 この本が、あらゆるフリーランス、自営業の人たちにとって、お金の悩みや不安から解放され、楽しく仕事をし豊かな生活を送るための一助となれば幸いです。

<第3回に続く>

この記事で紹介した書籍ほか