同じ言葉でも影響力に差が出るのはなぜ? 「カリスマ」に必要な2つの原則とは/超影響力③

ビジネス

公開日:2021/5/8

超影響力』から厳選して全6回連載でお届けします。今回は第3回です。圧倒的影響力と人の心を見透かす力を持つ、メンタリストDaiGoが放つ “影響力の決定版”! 本書では、大衆扇動や群集心理をもとに、効果が科学的に実証されている、集団や個人の動かし方、流行や熱狂の起こし方を伝授。相手を動かしたいすべての人、必見の1冊です!

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超影響力
『超影響力~歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方』(メンタリストDaiGo/祥伝社)

影響力のある人は、「信用」と「関係性」を駆使している

 2つのたとえ話から1章を始めたいと思います。

 同じ場面にあなたがいたらどう思うか? を想像しながら読み進めてください。

「みんなが貪欲になっているときこそ恐怖心を抱き、みんなが恐怖心を抱いているときにこそ、貪欲であれ」

 これは世界一の投資家ウォーレン・バフェットの言葉です。

 あなたがお金を運用してみようと迷っているとき、バフェット本人から「みんなが貪欲になっているときこそ恐怖心を抱き、みんなが恐怖心を抱いているときにこそ、貪欲であれ」と教わったとしたら、この言葉は座右の銘になるほどはっきりと記憶に残ることでしょう。なぜなら、11歳で株式投資を始め、1代で10兆円を超える純資産を築いたバフェットの教えだからです。

 では、もし同じ内容のアドバイスを証券会社の若い営業担当から受けたらどう感じますか? あなたは「何を偉そうに」「ヤバい銘柄でも買わせるつもり?」「誰かの名言のパクリでしょ?」と反発を覚えるのではないでしょうか。

 

 あるいはこんな場面はどうでしょう。

 順調に仕事が進んでいるとき、職場の先輩から「どうした? いつでも相談に乗るからね」「困っていることがあったら、言ってね」と声をかけられたら?

「どうもしてないけど、先輩、いい人だな」もしくは、「おせっかいだな」と思うくらいです。

 でも、何か重大なミスをして言い出せないでいるときや、社内の人間関係で悩んでいるときに、「どうした? いつでも相談に乗るからね」「困っていることがあったら、言ってね」と言われたら、その言葉はすっと胸に響くのではないでしょうか。

 草花を育てるとき、土を耕してから種を蒔くように、誰かに影響力を及ぼす人になるためには準備が必要です。

 2つのたとえ話のまとめとして、あなたに質問したいと思います。

①バフェットにあって、証券会社の若い営業担当にないものは?
②同じ「どうした? いつでも相談に乗るからね」「困っていることがあったら、言ってね」という言葉が胸に響いたり、響かなかったりするのはなぜ?

 実はここに「影響力」を理解し、使いこなしていくための2つの原則が隠されています。それは「信用」「関係性」です。

・人は、同じ内容でも信用した相手の話に耳を傾けます
・人は、同じ内容でも「自分と関係がある」と思った話にしか興味を持ちません

 聞き手に信用され、相手と深く関係する話ができる話し手は信頼されます。すると、聞き手本人、聞き手のいるグループに影響力を発揮することができるのです。

超影響力

家族や友人ではない相手に、影響力を発揮するには?

 でも、考えてみてください。

 あなたには信頼できる友人、知人が何人いますか?

 何十人、何百人の顔が浮かぶ人はほとんどいないはずです。親友と呼べる数人の顔、家族、恩師や師匠だと思っている何人かが、心から気を許せる存在として思い浮かぶのではないでしょうか。

 何かに悩み、人生の選択に迷ったとき、あなたは彼らに相談し、そのアドバイスに耳を傾けます。なぜなら、彼らは「あなたの状況を理解し、親身になってくれる」=「信用できる人が、自分と関係性の深い話をしてくれる」からです。

 つまり、関係性ができあがっている相手には、影響力を発揮しやすいわけです。

 しかし、こうした信頼関係を築くまでには多くの場合、時間がかかります。

 学生時代の同級生、同じ職場で働いていた仲間、趣味を通じて知り合った友達……。いずれも長い時間をともに過ごし、喜怒哀楽を伴う体験を共有したことによって、アドバイスをし合える関係が育まれます。

 けれども、「影響力」の正体が=「時間」では、みなさんも納得しないでしょう。

 

 そこで、本書のテーマである「影響力」という視点で考えてみた場合、他に気づくことがあります。それは、私もあなたも、もっと多くの人からさまざまな影響を受けているという事実です。

 私たちは信頼できる特別な人の言葉だけを信じるわけではありません。

 ときには初めて会ったばかりの人のアドバイスに納得し、ときにはたまたま読んだ本の偉人の名言に心動かされ、ときには偶然目にしたYouTubeで話すメンタリストの言葉に影響を受けているはずです。

 つまり、影響力を発揮するには「信用」と「関係性」が不可欠ですが、この2つを備えた信頼関係を結ぶのに、時間や共通体験が必須なわけではないのです。

 影響力のある人は、聞き手にとって「信用できる話し手となる方法」を知っていて、聞き手に「この話は自分に関係があると思わせる術」を持っています。

 言い換えるなら、彼らは聞き手を短時間で信用させ、これから語って聞かせる内容に関係性を感じさせ、相手の考えや行動に影響を与えることに長けているのです。

効率的に「信用」を得て、「関係性」を築く手法は存在する

 たとえば、私が配信している動画では、プラクティカルバリュー(聞き手に役立つ価値)を意識して、基本的に次の3つの情報を提供するようにしています。

①私自身も含め、視聴した人の人生をいい方向へと変化させるために使える情報
②取り巻く人間関係を改善したり、友人知人の悩みに答えられるようになったり、視聴した人が周りの人に使える情報
③コミュニケーションが円滑になる、日頃の会話のネタになるような情報

 役立つ内容であることは信用を生みます。人生をよくする情報は多くの人に動画への関係性を感じさせます。

 しかも、人は自分が使えると思った情報、自分が使ってみたノウハウを「こんないいやり方があるんだよ」「こんなおもしろいノウハウがあるけど、知っている?」などと、他の人にも広めたいと考えます。

 これは自分が先に知ってよさを見抜いた情報を誰かに教え、相手が喜び、「あー、それ、使えるね」「いいね」となることで、承認欲求が強く満たされるからです。

 聞き手にとって価値ある情報の発信を続け、1本1本の動画を積み重ねること。これが結果的に、直接会ったことのない人の考えや行動にも変化をもたらすような影響力の高さにつながっていったのです。

 

「大衆扇動」の研究は、この「プラクティカルバリューのある情報を発信する」のように、効率的に「信用」を得て「関係性」を築いていく手法をいくつも明らかにしています。

 つまり、そのノウハウを身につけることで、持って生まれたカリスマ性や長時間かけて培った人間関係がなくても、聞き手に影響力を発揮することができるのです。

 さっそく影響力のある人が実践している「短時間で信用を得る方法」と「聞き手に関係性を感じさせる術」について解説していきましょう。

 

ポイント
「信用」と「関係性」を上手に操れるようになると、影響力を飛躍的に高めることができる。

<第4回に続く>

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