雨不足に悩まされる町・メナム。モンゴル軍からの弾圧が続き、姫であるナンは町の行く末を心配していた／ペルシャの幻術師①

司馬遼太郎：原作、蔵西：漫画、高木小苗：監修の書籍『ペルシャの幻術師 1』から厳選して全3回連載でお届けします。今回は第1回です。13世紀、世界を手にしようというモンゴル軍の猛威がペルシャにも迫っていた。モンゴル軍を率いる大鷹汗（シンホルハガン）ボルトルは、ペルシャ高原の町メナムの美姫ナンを見初める。そこに、謎の幻術師アッサムが現れて…。司馬遼太郎先生の幻のデビュー作を、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品選出の漫画家・蔵西先生が待望のコミック化。『ペルシャの幻術師』は、幻想と愛と死が絡み合うスぺクタクルロマンの物語です。ペルシャのひがし――高原の町メナムは2カ月間、一滴の雨にも恵まれなかった。母なる河も干上がり、モンゴル軍の弾圧の中、メナムの町を美姫・ナンは、不安げに町を見て回っていた。