塩田武士を初めて読むならこの5冊! 【祝・2024年本屋大賞ノミネート】

文芸・カルチャー

公開日:2024/2/19

単行本『存在のすべてを』(朝日新聞出版刊)が2024年本屋大賞にノミネートされ、大注目の作家・塩田武士さん。
2011年に『盤上のアルファ』(講談社刊)でデビューして以来、読み応え抜群の骨太な作品を数多く生み出してきました。
塩田さんが本屋大賞にノミネートされるのは、2017年の『罪の声』、2018年の『騙し絵の牙』に続き3度目。
この機会に「作品を読んでみたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、カドブン編集部が「初めて読む塩田武士作品」としておすすめのタイトルを厳選しご紹介!
気になる1冊を見つけてみてくださいね。

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塩田武士を初めて読むならこの5冊!

第5回小説現代長編新人賞を受賞した著者デビュー作!
『盤上のアルファ』(講談社文庫刊)

「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。そんな秋葉の家に、突然転がり込んだのは、やけ酒の席で大喧嘩をした同い年の不遜な男・真田信繁だった。背水の陣でプロ棋士を志す男が巻き起こす熱い感動の物語。

(講談社オフィシャルHPより)
発売日:2014年2月14日(2011年1月刊行の単行本を文庫化)

圧倒的な取材と着想で、昭和最大の未解決事件を描いた傑作長編小説!
『罪の声』(講談社文庫刊)

「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それはかつて、日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め--。
圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。

(講談社オフィシャルHPより)
発売日:2019年5月15日(2016年8月刊行の単行本を文庫化)

圧倒されるほどリアルな筆致で出版界の<光と闇>を描く!
『騙し絵の牙』(角川文庫刊)

主人公は出版大手の「薫風社」で、カルチャー誌「トリニティ」の編集長を務める速水輝也。
中間管理職でもある40代半ばの彼は、周囲の緊張をほぐす笑顔とユーモア、コミュニケーション能力の持ち主で、同期いわく「天性の人たらし」だ。
ある夜、きな臭い上司・相沢から廃刊の可能性を突きつけられ、黒字化のための新企画を探る。
大物作家の大型連載、映像化、奇抜な企業タイアップ。雑誌と小説を守るべく、アイデアと交渉術で奔走する一方、
巻き込まれていく社内政争、部下の不仲と同期の不穏な動き、妻子と開きつつある距離……。

交錯する画策、邪推、疑惑。
次々に降りかかる試練に翻弄されながらも、それでも速水はひょうひょうとした「笑顔」をみせる。
しかしそれはどこまでが演技で、どこからが素顔なのか?  やがて、図地反転のサプライズが発動する。
出版業界の現状と未来を限りなくリアルに描いた群像小説は、ラストに牙を剥く!

(KADOKAWAオフィシャルHPより)
発売日:2019年11月21日(2017年8月刊行の単行本を文庫化)
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321905000408/

製作委員会、制作会社、ゲーム、配信、中国、テクノロジー、コロナ後…… これが日本のアニメの“リアル”!
『デルタの羊』(KADOKAWA刊)

「俺たちはあまりに善人だ」
「誰かが羊飼いにならなきゃ、日本アニメは地盤沈下していく」

アニメ製作プロデューサー・渡瀬智哉は、念願だったSF小説『アルカディアの翼』のテレビアニメ化に着手する。
しかし業界の抱える「課題」が次々と浮き彫りとなり、波乱の状況下、窮地に追い込まれる。
一方、フリーアニメーターの文月隼人は、ある理由から波紋を広げる “前代未聞のアニメ”への参加を決意するが……。

アニメに懸ける男たちの人生が交差するとき、【逆転のシナリオ】が始動する!

(KADOKAWAオフィシャルHPより)
発売日:2020年10月7日
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321804000674/

前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る「虚実」の迷宮! 2024年本屋大賞ノミネート作!
『存在のすべてを』(朝日新聞出版刊)

平成3年に発生した誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。異様な展開を辿った事件の真実を求め再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。質感なき時代に「実」を見つめる、著者渾身、圧巻の最新作。

(朝日新聞出版オフィシャルHPより)
発売日:2023年9月7日

プロフィール

塩田 武士(しおた・たけし)
1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。
2020年、21年は『罪の声』『騙し絵の牙』と映画が続々公開。