『ネコシェフと海辺のお店』標野凪  ちょっとだけ一歩を踏み出す勇気をもらえる。自分を好きになれる――。 書店員さんからたくさん共感の声が届きました!

文芸・カルチャー

公開日:2024/3/23

「喫茶ドードー」シリーズ、「伝言猫」シリーズなどで、疲れた心に、そっと寄り添う物語を紡ぎつづけている標野凪さん。
本書は、「もうこんな現実から逃げ出したい」と思い詰めた人たちが迷い込む、海辺のお店が舞台です。掘っ立て小屋みたいな簡素なお店で、饒舌で料理上手なネコシェフがふるまうのは、とびきり美味しい海の幸を使ったごはん。俳句を詠んだり、お料理の蘊蓄を語ったり。ネコシェフと話しているうちに、ほら、あなたの心もゆっくりほぐれてきます。
「うん、私は大丈夫」と、明日への一歩を踏み出す勇気をくれる物語です。一足先にゲラをお読みくださった書店員さんたちから素敵な感想が届きました!

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『ネコシェフと海辺のお店』標野凪
書店員さんからたくさん共感の声が届きました!

ネコシェフとの会話と美味しい料理で前向きになり一歩を踏み出す。私もネコシェフに会いたい!と思ってしまう。この小説はちょっと疲れた時、元気が欲しくなった時に手に取る小説だと思う。
――吉井めぐみさん(宮脇書店ゆめモール下関店)

息苦しいな、とか理不尽だな、とかの思いが重なって、もうどこにも行きたくないと思う時、サバトラさんが作るお料理に似たような出来事があると、現実でも少し息継ぎができるなぁと思います。
――永嶋裕子さん(水嶋書房くずは駅店)

何かのキッカケで考え方一つ、気分も態度も変わることはある。お話の中でネコシェフに出会う時、それがまさに自分の中にある凝り固まったものがスッと抜ける時なんだろうな。お話一つ一つが言葉尻を魚にあてるのも面白いし、ネコが俳句を詠むのも面白い。
――枡田愛さん(水嶋書房くずは駅店)

こんなお店があったら、私の前にも出てきてほしい!
焦らなくても、ゆっくりで良いのだと言われている気になりました。
作中のご飯は美味しそうだし。
読後、なんとなく心が軽くなった気がします。
――林雅子さん(宮脇書店境港店)

可愛くておいしくて、猫が句を詠むのがちょっぴりシュールで。癒しの空間でもらうネコシェフからの励ましの言葉がストンと胸にきて泣きたくなりました。ありがとうネコシェフ。明日から少し違う自分に変われそうだ。
――渡部哩菜さん(椿書房)

ステキな絵本を読んだ時のように、ほっとする一冊。
悩める女性たちがネコシェフと出会い一歩を踏み出す、心温まるお話でした。
私も海辺のお店に招かれたいものです。
――島村さん(紀伊國屋書店横浜店)

自分の好きを認めよう! そして、もっともっと自分を好きでいよう!
ちょっとだけ迷った時には、サバトラ柄のネコシェフが丁寧に作った好みの料理をだしてくれる。
美味しい気持ちが一歩を後押す、心も身体も軽やかに♫
――佐々木知香子さん(未来屋書店入間店)

この物語に触れていると、自分もいつの間にかさざなみの聞こえる海辺にいるような気がしてきます。きっと日常のしがらみに囚われた私たちに、サバトラ柄のネコシェフが気ままに差し出してくれるでしょう。嗄れ声で自慢の魚料理と共に、気づかないふりをしていた自分の本心を。
――立川昇弥さん(くまざわ書店岡崎北店)

出てくる料理がどれも美味しそうで、お腹が空きますが、ほっこり温まる物語で、心が優しさで満たされて、満腹になります。心身に沁み渡る滋味深くて温かい作品でした。
――峯多美子さん(六本松 蔦屋書店)

一家に一匹 ほしいぞ 猫シェフ しかも話す
――川島さん(谷島屋サンストリート浜北店)

お涙頂戴では決してないし、お仕着せがましくもない。海辺のネコシェフに会って大切なことに気づいたからといって、完全にハッピーエンドになるわけでもない。いまある現実をしっかりと受け止める覚悟を持つだけだ。
でもそれは海辺の小さな店で供される魚の料理と同じように、人間の人生にもそれぞれ「時期」があり、無理してそれに抗うことは、旬の魚に間違った余計な調理をしてしまうことと同じなのかもしれない。
――名智理さん(STORY STORY YOKOHAMA)