因習、伝承、都市伝説――曰くつきの土地が舞台のホラー&ミステリ5選

文芸・カルチャー

公開日:2024/3/23

忌まわしい因習にとらわれた村や、いくつもの怪談と結びつく「ある場所」――。
そんな「曰くつきの土地」を舞台に繰り広げられる、ホラー&ミステリ作品を読んだことはありますか?
近づかないほうがいいとわかっていても、好奇心がくすぐられてたまらない。
そんなあなたにおすすめしたい、とっておきの5作品を厳選してご紹介します。

その土地に近づいてはいけない――でも。
小説の中なら、きっと大丈夫。

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さあ、せーので足を踏み入れましょう。
眠れなくなるほど楽しい読書時間をお約束します。

因習、伝承、都市伝説――
曰くつきの土地が舞台のホラー&ミステリ5選

最強の拝み屋・物部斉清ですら止められなかった土地の怪異

芦花公園『極楽に至る忌門』(角川ホラー文庫)

四国の山奥にある小さな村。そこには奇妙な仏像があり、大切に祀られていた。帰省する友人・匠に付き添い、東京から村を訪れた隼人は、村人たちの冷たい空気に違和感を抱く。優しく出迎えてくれた匠の祖母の心づくしの料理が並ぶなごやかな夕食の最中、「仏を近づけた」という祖母の言葉を聞いた瞬間、匠は顔色を変える。その夜、匠は失踪し、隼人は立て続けに奇妙なことに巻き込まれていくが――。東京での就職を機に村を出て、親族の死をきっかけに戻ってきた女性が知った戦慄の真実。夏休みに祖父の家にやってきた少年が遭遇した恐るべき怪異。昭和、平成、令和と3つの時代の連作中篇を通して、最強の拝み屋・物部斉清ですら止められなかった、恐ろしい土地の因縁と意外な怪異の正体が浮き彫りになっていく……。ホラー文庫30周年記念、書き下ろし作品。

発売日:2024年03月22日
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322307000528/

情報をお持ちの方はご連絡ください――最恐モキュメンタリーホラー!

背筋『近畿地方のある場所について』(KADOKAWA単行本)

背筋と名乗るライターの主人公は友人であり編集者である小沢と一緒にオカルト雑誌を作っていた。そして幾つかの不気味な怪談に近畿地方のある場所がかかわっているのではないかという仮説を立てた二人は調査、考察を進めていく。しかし、ある日小沢は現地へ行くと言い残して失踪してしまうのだった。背筋は行方不明になった小沢の目撃情報を募るため、雑誌記事を中心に様々な媒体・メディアから引用抜粋した――少女失踪事件に関する週刊誌報道、ネットの匿名掲示板に投稿された怖い話、おかしな読者からの手紙等を『近畿地方のある場所について』というタイトルでまとめ、WEB上で情報提供を呼びかけていく。だが、これらの怪談と近畿地方のある場所には恐ろしい事実が隠されていて――。

発売日:2023年08月30日
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322304000496/

まほりとは? 蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習とは? 前代未聞の民俗学ミステリ!

高田大介『まほり 上』(角川文庫)

大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村と出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織と出会い、ともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ! 謎が謎を呼ぶ。その解明の鍵は古文書に……?下巻へ続く。

発売日:2022年01月21日
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322108000224/
下巻:https://www.kadokawa.co.jp/product/322108000230/

最後まで読んだ時、あなたの視界は恐怖に染まる。

阿泉来堂『ナキメサマ』(角川ホラー文庫)

高校時代の初恋の相手・小夜子のルームメイトが、突然自宅に訪ねてきた。
音信不通になった小夜子を一緒に探して欲しいと言われ、倉坂尚人は彼女の故郷、北海道・稲守村に向かう。
しかし彼女はとある儀式の巫女に選ばれすぐには会えないと言う。
しばらく村に滞在することになった尚人達は、神社を徘徊する異様な人影と遭遇。
更に人間業とは思えぬほど破壊された死体が次々と発見され……。

発売日:2020年12月24日
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322008000147/

何かに覗かれている──そんな気がする時は、一旦本書を閉じてください。

三津田信三『のぞきめ』(角川ホラー文庫)

禁じられた廃村に紛れ込み恐怖の体験をしたあげく、次々怪異に襲われる若者たち。そこは「弔い村」の異名をもち「のぞきめ」という化物の伝承が残る、曰くつきの村だった──。ミステリとホラーの絶妙な融合!

発売日:2015年03月25日
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321410000080/