美しすぎるロシア人コスプレイヤーが好きな意外なアニメとは? 屋形船に密着取材【後編】
公開日:2014/9/15
取材場所は、東京湾クルーズをする屋形船。「SUGOI JAPAN実行委員会」 (http://sugoi-japan.jp/)が用意してくれたサプライズなプレゼントに大喜びの彼女たち。今回は、彼女たちの好きなアニメについて語ってくれた。
▲モスクワからやってきた「ハラショー」(すばらしい)な皆さん
■ジブリ作品は常識!
そもそもロシアでは、日本のアニメは放送されているのだろうか。
「ロシアの国営放送では、スタジオジブリの作品をよく放映しているわ。それに、『美少女戦士セーラームーン』『NARUTO』なども」とは、ソフィアちゃん。
ジブリ作品はロシアでとてもメジャーなのだ。『ハウルの動く城』『千と千尋の神隠し』など、様々なタイトルが彼女たちから出てきた。
▲黄昏どきの東京湾は、美女がよく映える!
ネットでリアルタイムに情報が共有出来るなか、あの作品もロシアで人気とのこと。
「ロシア人は『進撃の巨人』をみんな知っているわ。日本と同じく大ブームよ」とはゲーシャちゃん。彼女はリヴァイ兵長そっくり。リヴァイコスの写真をコスプレサイトにアップしたところ、世界中から反響がきたそうだ。
だがそんなに多くは放送されていないという。フローセルちゃんいわく、
「アニメ専門チャンネルで、日本のアニメ放映週間があったり、映画祭も行われたりしてるわ。でも、そんなに多くは放映されていないかな」とのこと。
そんなに多くはないといっても、『BLEACH』『デスノート』『鋼の錬金術師』など、少年誌系の人気作品は他国同様に人気とのこと。
▲撮影会では、「進撃」のあわせ姿も。長い足に調査兵団の制服がよく似合う!
■チェブラーシカはかわいいけど……?
ロシアアニメといえば、我々が知っているのは、あの作品。耳が横に付いて、サルのようなクマのようなキャラは人気ではないのか。
「ロシア人は、みんな『チェブラーシカ』を見て育っていると思う。でもほかのロシア産のアニメは道徳的なものが多くて…。描写も細かくないし、あまりおもしろくないの」とは、ジュークちゃん。
おお、やっぱり「不思議な生き物 チェブラーシカ」は人気なのか。だが、ロシアのアニメは同様に子ども向けが多いということか。
では、日本のアニメのどこがおもしろい?
「好きすぎて全部は述べられない」と、みんな口々に言いつつも、こんな意見があがった。
「キャラクターをはじめ、ストーリーの描写がとてもリアル。例えばファンタジー作品って全部自由に設定できるでしょ。なのに日本のアニメは、日常的な描写もあるところ。そこがまた作品を面白くしているわ」
思い入れたっぷりにジャネットちゃんは語ってくれた。
また、「背景やモブキャラまできちんと描かれていて、作品に厚みがある」とアリーナちゃん。また、ゲーシャちゃんは、「そのときどきの社会問題を反映させているのがすごい」「音楽もいいのよ」とナスチャちゃん。
しかし、彼女たちの挙げる好きな作品は、マニアック。『行け! 稲中卓球部』『Paradise Kiss』『天使禁猟区』『DARKER THAN BLACK』……。日本人でもあまり知られていないタイトルまでよく知っている。本当に日本のアニメが好きなのだ。
▲屋形船で舟盛りの刺身を見てニンマリ
■日常系は、非日常系?
『NARUTO』『セーラームーン』のようなマス作品のおもしろさは、万国共通だろう。だが、日常系な作品はどうだろうか。『けいおん』など、日本の平凡な生活を描く作品もおもしろいと思う?
「ロシアとまったく違う文化だと思う、けどそこがおもしろい。日本人はロシア人と違って集団行動や年長者を重んじているから」とはジャネットちゃん。
我々にとっての日常は、彼女らにとって異文化ウォッチングにあたるのか。
また、特別派手なアクションのない少女マンガ系アニメも同様に人気だ。
アリーナちゃんにとって「『桜蘭高校ホスト部』は、どの登場人物も好き」な存在だという。近々、恋愛アニメ『ラブ★コン』の“あわせ”も行うとのこと。
アメリカでは、ガチの恋愛に偏った少女マンガはそんなに人気がでなかったという。また、ロシア事情通によると、ロシア人女性は我が強く恋愛をリードする人が多いとも。
それなのに、奥ゆかしい少女マンガ的作品が楽しめるなんて!
▲カラオケで大盛り上がりのみなさん。カラオケは万国共通の娯楽のようだ
ちなみに、同性愛に対して厳しい目を向けられがちというロシアだが、BL(ボーイズ・ラブ)は存在するのだろうか。
「『BL』より『ヤオイ』という言い方がロシアでは一般的です。ヤオイの好き嫌いは、個人差があると思う。でも、一部に熱狂的ファンはいるわね」とは、アリーナちゃん。
ロシアにも腐女子の生態が発覚! 腐海は地球上に菌糸を広げているようだ。
日常系アニメは、限られた層だけが愛好する作品と思いきや、彼女たちと話し考えを改めさせられた。「あるある」的な共感はなくとも楽しめるなんて、日本のアニメってガチですごい。目から鱗が落ちる経験であった。ローカルだけの人気のように思えて、実はグローカル。日本のアニメの持つ力は強い!
▲恥ずかしそうに、日本語で『マクロス』の挿入歌を歌っていたナスチャちゃん(右)。日本語うますぎでしょ!
■聖地はもちろんアキハバラ
今回の滞在のうち、1日だけフリータイムがある。彼女たちはいったいどこへ行くのか? その答えは、もちろん「アキハバラ!」
「コスプレ用品をいっぱいお土産に買って帰る」(ゲーシャちゃん)
「ロシアには常設のメイドカフェがないの。イベント時だけの出店はあるけど。だからいってみたい」(ティスちゃん)
短い滞在だが、日本を満喫したようだ。
▲「あ〜ん、してほしい?」(ジュークちゃん)。ぜ、ぜひお願いします!
気が強いと言われるロシア人女性だが、触れあってみるとそれは偏見であった。
撮影にあまり慣れていない彼女たち。ポージングはちょっと苦手のようだった。だが、撮影会に参加していたカメラマンたちのリクエストにも、精一杯応えていた。
また、ロシアのことをなにも知らない記者に「ロシア人は毎日キャビアなんて食べないわよ。お祝いのときだけ」「おふくろの味は、ボルシチ」など親切に教えてくれることも。
ロシア人レイヤーさんたちは、みんな普通にアニメが好き。そして、フレンドリーで優しい。今年中に再来日する予定もあるとのこと。その美しさだけではなく、ぜひヲタ趣味を通じて国際交流も深めて欲しい。改めて日本コンテンツを見直すこと間違いなし!
<完>
■来日レイヤーさんをご紹介
▲ソフィアちゃん。なんと本物のJK。ロシアのほとんどの高校には、制服がないとのことで、今回は日本流制服にチャレンジ!
▲アリーナちゃんは、『進撃の巨人』より、ハンジの姿。クールなコス姿だが、素顔はフェミニン& チョイロリータでキャワワなのだ
▲リヴァイ兵長を3D化したらまさに、こんな感じ! ちなみにゲーシャちゃんの腕には「温故知新」のタトゥーが入っている。男前!
▲ティスちゃんは大好きな『マクロスFRONTIER』のクラン・クランに変身。驚くほど小顔なのにベイビーフェイス。リアル妖精ですな
■取材協力および一部写真提供
「SUGOI JAPAN実行委員会」
マンガ、アニメ、ラノベ、エンタメ小説を対象とした史上空前の「国民投票」プロジェクト。ロシア人コスプレイヤーの記事などポップカルチャー関連の記事も多数掲載!
→http://sugoi-japan.jp/
■次回撮影会の情報はこちら
美し過ぎるロシア人コスプレーヤーの撮影会は、詳細は近日中に日本コスプレ写真協会サイトやツイッター、Facebokで発表!
→http://www.cospkyo.com
(撮影=威丸・橋本商店、ヘアメイク=みやちひろし、着付け=物部真実<役者>、取材・文=武藤徉子)