KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

「死んだふり」で生きのびる 生き物たちの奇妙な戦略 (岩波科学ライブラリー 314)

「死んだふり」で生きのびる 生き物たちの奇妙な戦略 (岩波科学ライブラリー 314)

「死んだふり」で生きのびる 生き物たちの奇妙な戦略 (岩波科学ライブラリー 314)

作家
宮竹貴久
出版社
岩波書店
発売日
2022-09-13
ISBN
9784000297141
amazonで購入する Kindle版を購入する

「死んだふり」で生きのびる 生き物たちの奇妙な戦略 (岩波科学ライブラリー 314) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

kinkin

「死んだふり」で生き延びる生き物についての研究について書かれた本。科学的な分析や考察は私には難しいところがあったが全体を通して読んだ感想は面白かった。世界で20人くらいしか「死んだふり」を研究されている肩がいないとも書かれていた。子供の頃庭先で見つけた虫が触るとしばらく動かなかった。そしてまたあるき出した虫の記憶がある。その無視もそんな仲間だったのだろうか。仕事でうるさい上司に説教食らった時死んだふふりできると面白いだろうな。今はパワハラでそんなこともできることは少ないだろうけど。図書館本

2023/01/16

死んだふりで外敵から攻撃を避けたり、異性から交尾を迫られまくるときに避けたり。でも種によっては異性との出会いがなかった…、ストレス耐性がなかった…等のデメリットもあり。コクヌストモドキの成虫で長い間死んだふりをするロング系統(著者たちが何世代にもわたってロング×ロングを繰り返した死んだふりエリート)は脳内にドーパミンがとても少なく、ドーパミン投与で死にまね時間が短くなり、歩き出す。ロング系統は歩き方にも異常がみられ、うまく曲がることができない。これは著者の母も罹患し苦しんだパーキンソン病の症状である。

2022/10/29

トムトム

ファーブルさんも虫の死んだふりについて色々と観察していたけれど、パターン性を見いだせなかった。そこに何かを見出した自分は、ファーブルさん越え!と喜ぶ筆者さん。好きです。で、それが何の役に立つの?いやいや、20年間研究を続けたらパーキンソン病の原因などに肉薄してきます。電磁波も発見当初は「何の役に立つの?」だったけれど、今のネット社会ではなくてはならないものになりました。無駄な科学はない。時代が追い付いてきます。

2023/11/12

月をみるもの

「死んだふり」によって本当に生き延びる(捕食者から逃れる)可能性があがるのか? というダーウィン・ファーブル依頼の疑問をついに解決したのが著者。とりあえず自分はじっとしている→じっとしてられない周囲の別個体が捕食者の注意をひいて食われる、、というのが生存率向上のメカニズムなのだとしたら、ある日森の中で熊さんに出会った時、自分ひとりだけなら死んだふりをしても意味がないということになる。

2022/11/26

人生ゴルディアス

良書! ものすごくおもしろかったのだけど、それは死んだふりについての生物学的な事実だけでなく、死んだふりという生物の行動を目にしたときの学者の反応、つまりそれは生存競争にどんな役に立っているのか? どんな条件で起こるのか? などの疑問を確かめていく実験の過程と、新たに判明する新事実(死んだふりの特性はなんと遺伝し、交配で強化できる!)をさらに深堀りし、捕食者との関係やその関係を調べるための手順、フィールドワーク、研究者同士の縁のつなぎ方など、小説みたいに目的に向かっていく様子がものすごくわくわくした。

2023/04/16

感想・レビューをもっと見る