戦争語彙集
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戦争語彙集 / 感想・レビュー
けんとまん1007
言葉の持つ本来の意味と、その背景を考えてしまう。それほどまでに、考えさせられるものがある。人間というものの持つ力を考える。もちろん、その一方で、こういう状況を創った側のことにも思考が及ぶ。その瞬間、その場ならではの言葉は、余計なものは一切ない。それを、どう受け取るのかが、大きなテーマだ。
2024/03/05
たまきら
侵攻で平和な日々を奪われた人たちのことばと、著者の書きおろしの二部構成になっています。今年も東京大空襲をテーマにした作品を上演するにあたり、夫婦で読みこんだのがこの本でした。夫は「ココア」、私は「妊娠」と「猫」に自分を重ねました。「おばあちゃん」と似たエピソードは証言の方から聞いたことがあります。この人たちの言葉は1945年の日本人の口から発せられたものかもしれません…。素晴らしい一冊でした。
2024/03/11
にたいも
報道で知るよりも、もっと身近で体温のある話の数々。親しい人の近況を聴くような。それで、今日はどうしている?と気遣いたくなる。だから、ロバート・キャンベルさん、ウクライナに行って、関わった人たちと話をしてきてくれてありがとう。/リヴィウの人形劇場の芸術監督の女性が、劇場で避難民を受け入れることと新作を公演することの両方をしたという話など、非常時でもウクライナの芸術家たちが、人々を実際に支援するとともに芸術活動で人々の心を支えていたことに感じ入る。
2024/02/25
こばやしこばやし
ウクライナ在住の詩人オスタップ氏は、ロシア軍侵攻に伴ってリヴィウに避難してきた人々をボランティアし、その時に聞き取った話をまとめられたのが本書。『戦争は女の顔をしていない』のように、短く静かな文章が並ぶが、感情移入することで傷ついてしまうほど鋭い。ユーモラスな表現や生活感あるアイテムが描かれてこそ、今の出来事なのだと感じさせられた。後半は訳者ロバート・キャンベル氏がウクライナに渡航して、著者や語り部たちへのインタビューが載っている。語られる言葉が持つ想起させる力、言葉自体が持つ力を感じられる作品。
2024/03/17
Gamemaker_K
言葉は、残る。姿を変えて残り続ける。ウクライナの人たちに、大いなる幸あらんことを。
2024/02/25
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