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紙の中の戦争 (同時代ライブラリー 278)

紙の中の戦争 (同時代ライブラリー 278)

紙の中の戦争 (同時代ライブラリー 278)

作家
開高健
出版社
岩波書店
発売日
1996-08-12
ISBN
9784002602783
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紙の中の戦争 (同時代ライブラリー 278) / 感想・レビュー

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さっと

戦争文学と称される作品群についての評論。冒頭の深沢七郎「笛吹川」からして開高好みの作家論に見えなくもないが、戦国時代の名もない農民一家の、戦争に絡めてひたすらに誰かが生まれては死んでいく物語と紹介されては興味はますばかり。「いたるところ実体」だそうである。戦国時代はこれひとつだけで以下、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争の果ての原爆まで、開高が銃後で見て私たちが歴史で学んだ「戦争」が近づいてくる。ベトナムを見て開高自身も書かずにいられなかったが、先輩作家の目を通しても戦場のモチーフは実にさまざまだ。

2023/06/13

モリータ

「黒い雨」「生きてゐる兵隊」「俘虜記/野火」のような高校の国語便覧に載っているような有名作品から、あまりなじみのないものまで、戦争が描かれた文学作品の評論。メシや酒、女の描写を読んでいればさもありなんと思うが、批評も独特の語り口でおもしろい。形容がピンとこなくても、(いやいやですが)あらすじも書いてくれているので、ブックガイドとして読んで損はないと思う。「作品のなかでもっとも滅びやすいのは形容詞からだ」という至言も冒頭にあり。(1/3ぐらいは知ってたけど、やはり「笛吹川」と「夏の花」は読まなあかんなぁ…)

2012/06/06

hsemsk

「開高健 電子全集12」にて読了。

2017/07/26

Tsunekazu Ito

どんなに悲惨で理不尽で不条理なエピソードも、「戦争だから」で片づけられ納得してしまう。それくらい戦争の非日常性は想像し難いものなのでしょう。戦争経験者が少なくなっていく中で、戦争をテーマにした小説は貴重な資料でもあるのだと思いました。 それにしても開高健の分析の鋭さと批評には脱帽です。読書力が違いすぎます。こんな風に本を読めたらなあ・・

2011/09/03

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