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船出(下) (岩波文庫)

船出(下) (岩波文庫)

船出(下) (岩波文庫)

作家
ヴァージニア・ウルフ
川西 進
出版社
岩波書店
発売日
2017-03-17
ISBN
9784003229132
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船出(下) (岩波文庫) / 感想・レビュー

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やいっち

ウルフのデビュー作ということで、ウルフの入門書としてもいいのだが、そんなことより、ウルフの世界に端的に入って行けるようで、実に面白かった。主人公の名前はレイチェル。この名前は、西欧では馴染みだが、意味深なような名前でもある。「レイチェルは、英語圏の女性名。旧約聖書『創世記』に登場するラケルに由来する」とか。  ウルフがどういう理由でこのレイチェルを選んだかは分からない。

2017/09/13

おおた

気むずかしさが先に立つ。男性陣はなぜか感情の大きさを比較したがり「君より僕の方が人間が好きだ!」とか叫んだりするので困る。そんなの言うのは勝手だけど審判がいないもの。丸く収まるかと思った頃にまさかの小町娘メソッドが発動して(゜Д゜) 後書きを読むとウルフを一通り読んだら分かるよというアドバイスがあったので、おとなしく他の有名な作品を読もうと思います……。

2017/05/19

かふ

この時代(1900年代初頭)を生きれなかったレイチェルは自立する女性のプロトタイプだった。イギリスの植民地時代、貴婦人たちのおしゃべりの中での意識の流れ、植民地での風土病(熱病)、作家であるテレンスとの婚約で幸せの絶頂の後での婚約破棄をするような死。テレンスとの女性の役割としての考え方の違い。夫の読書の邪魔にならないようにピアノを弾いているのは我慢ならない。ベートヴェンの後期ソナタを弾きたいのだ。ピアノ・ソナタ32番は此岸と彼岸、結合と離脱、肉体と精神の演奏。レイチェルの死に対しての登場人物たちの影響。

2017/09/07

NY

テレンスとレイチェルの会話は全く噛み合わないように思えたが、とにかく二人は恋に落ち婚約する。しかしそれもつかの間、レイチェルは不運にも熱病であっけなく亡くなってしまう…筋は追えるが場面ごとの繋がりはスムーズでなく、登場人物の言動も一方通行的で、正直、この作品は一般的な意味では楽しめなかった。また、ウルフが何を描きたかったのか(例えば女性の精神的自立?)最後まで謎だった。一方で、下巻冒頭の「結婚してから長い年月が経つと」の前後など、人間関係の真相をえぐり出す鋭い一節があり、才能の片鱗を見せていると感じた。

2019/07/01

ぺったらぺたら子

バッハに続きベートーベン後期ピアノソナタの短い描写がある。それが、人々の動きと声が「一つの模様」に纏まっていく、というスン・ジョンの得た感覚と重なり、著者の感覚を解く鍵の一つとなっている。世界の本質を音楽的な運動体として構造的・視覚的に捉える感覚こそは著者の作品に通底するものだ。人々の描く軌道がスタイルの模索と重なり、波の様に花火の様に散り消える。それは我々の姿でもある。最後に四人がそれぞれに難儀な生と死に深く肯定感を得るのが素晴らしい。「灯台へ」と「波」を愛する私としては、大変に愛おしく思いつつ読んだ。

2017/06/11

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