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ヘンリー・ジェイムズ短篇集 (岩波文庫 赤 313-4)

ヘンリー・ジェイムズ短篇集 (岩波文庫 赤 313-4)

ヘンリー・ジェイムズ短篇集 (岩波文庫 赤 313-4)

作家
ヘンリー・ジェイムズ
大津栄一郎
出版社
岩波書店
発売日
1985-12-16
ISBN
9784003231340
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ヘンリー・ジェイムズ短篇集 (岩波文庫 赤 313-4) / 感想・レビュー

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壱萬弐仟縁冊

著者は遺産からの収入で生涯職業につかず、著述家、講演家として過ごし、ヨーロッパ旅行した(312頁)。いい御身分だこと。「もうひとり」で、最良の場合は、利益になりそうなものがなにか屋敷のどこかにかくされているかもしれぬということ。最悪の場合は、期待だけが空しく強すぎた結果に終わることだった(113頁~)。「荒涼のベンチ」で、屈辱の苦渋を最後の一滴まで、それに困窮の苦渋もほとんど最後の一滴まで、

2016/01/25

Ribes triste

何の違和感のないはずの情景が、突然ぐんにゃりと歪んで別の光景を見せてくれる。読んでいてそんな気分になりました。ちょっとやみつきになりそうです。

2018/11/30

訃報

お屋敷に住むおばあさん二人の、男の幽霊をめぐるあれこれ『もうひとり』が良かった。彼女らの中に残る「女」が、「あの人に選ばれたのは私!」と言い張って二人は不仲になるんだけど、「あの人」って幽霊だし、幽霊だって本当にいるのかわからない、妄想かもしれないし、嘘かもしれない。その辺の境がわからない、正統派の幻想文学だった。ただ、ところどころ幽霊以上に彼女らの心理の方が奇妙だったりして、文章と語り方も類を見ない凄さで、作家の色が出ているのはその辺だと思った。特に文章力、嫌というほど丹念な心理描写と、その一方で大胆に

2016/05/22

きりぱい

表紙に、ジェイムズの小説を難解そうだと尻込みする人こそ、この円熟期の短篇を読んでみてよ、みたいに書いてあるから、てっきり読みやすい類だと思ったのに、なにこの手ごわさ。ん?と思うことがありすぎる4編。当然何ごとか推量しながら読んでいるわけだけれど、異質な存在を呼び水にして揺らぐ心理がなかなか一筋縄では読みとりにくい。「私的生活」なんて解説を読んで、えっ?あくまで訳者の解釈とはいえ、そうなの!?と。「荒涼のベンチ」は展開に驚きながら、ここまでする女性の心理がわかるようでわからない。

2012/05/10

ハルバル

「私的生活」はロンドン上流人土の社交生活を巧みに風刺。上っ面を気取る彼らも旅行先では羽目を外し、それぞれ裏の顔を見せるように。仮に訳者解説を取るとすれば、結局主人公自身が上っ面に騙されたままという滑稽な話に(実は偉大な作家は俗物であり、完璧な紳士は妻に隠れてコソコソ浮気する男だ)。しかし主人公の見た幻影がもし本当なら、一気に話はひっくり返ってしまう。このように何通りもの解釈ができるのがジェイムズ作品の特徴であり面白さであり、また難儀さでもある。心霊と現実が同様のリアリティーを持って書かれているのも面白い。

2018/03/15

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