私にとっての20世紀: 付最後のメッセージ (岩波現代文庫 社会 180)
私にとっての20世紀: 付最後のメッセージ (岩波現代文庫 社会 180) / 感想・レビュー
呼戯人
かなり長い間加藤周一を読み続けているが、この本があることを今まで知らなかった。20世紀を振り返るという本は、他にも鶴見俊輔との対談だとか色々あるが、この本は本当に優れた20世紀論になっている。特に印象に残ったのは、科学者の現状維持的態度に対して倫理的直観が上回るという議論をしているところなどである。人権と平和主義が日本国憲法の特色で、この二点を守ることを通して日本の軍国化を防ぐことができるという主張なども印象に残った。また文学の価値は、価値の転換にあるという論点など強い印象を受けた。さすが知の巨匠である。
2024/02/15
ネムル
倫理より科学が先立たないために、学問が足枷にならないために、世界の声に耳を傾けるために。アンゲロプロスのとりわけ大好きな『永遠と一日』が話題にあがり、テンション上がる。
2018/12/31
えふ
よく飲み込めないところがたくさんあるけど、面白かった。今を生きる世代が戦争の責任を抱え込むのは違うけど、日本人の持つどういった価値観が戦争を起こしたのかは、次に戦争を起こさないためにもきちんと振り返らなければいけない、というにはそうだなー、と思いました。学校の歴史の授業から何かを考えることってないからな。暗記だけ。
2013/09/29
ご〜ちゃん
「誰か人さまのことを聞いたり触れたりするとき、また聞きではいけないと思う」という言葉にその通りだと思った。自分の目で見て、自分で判断しようと思った。
2011/03/15
mamegohan
やっぱりスケールが違う。知識人とはかくあるべきです。言葉・ナショナリズムの章は一気に読めた。『文学』の定義に納得。
2011/08/10
感想・レビューをもっと見る