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名人 志ん生、そして志ん朝 (朝日文庫)

名人 志ん生、そして志ん朝 (朝日文庫)

名人 志ん生、そして志ん朝 (朝日文庫)

作家
小林信彦
出版社
朝日新聞出版
発売日
2018-10-05
ISBN
9784022619457
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名人 志ん生、そして志ん朝 (朝日文庫) / 感想・レビュー

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yamatoshiuruhashi

落語論、志ん生・志ん朝論、対談、江戸文化論。色々な側面で書かれた文章をまとめたものである。地方在住者にとって江戸言葉が分からねば落語は分からない、と言ったような表現は狭量だと思えるが、全体として落語をこよなく愛する人が(落語だけではない)幅広い素養を背景に実直に記した文章を読むのは心地よい。夏目漱石と落語、江戸言葉の繋がりなどこの著者でなければ切り込むことは難しかった領域ではないだろうか。

2018/12/06

ジロリン

ワタシが一番好きな落語家は桂枝雀なのだが、志ん生も(なぜかウチにあった)ソノシートで聴いた「火炎太鼓」でお腹が捩れるほど笑わせてもらった。ウチに父が買った「なめくじ長屋」があり、それをチラチラ読んでいたということもある…なんて思ってたら本書の解説を亡父と交友があった森卓也氏が書いておられるのだな、これが。不思議な因縁さえ感じてしまう。たまたま立ち寄った本屋の平台でみつけ〈何となく〉手に取ったのも、そのせいか…ほとんど本書の内容に触れていないのは既読が多かったのと、志ん朝にそれほど熱い想いは抱いてないからw

2018/10/27

qoop

ネイティブな江戸弁話者を身内にもつ著者にとって、自然な江戸弁を感じさせる最後の一人だった志ん朝の死は江戸落語の終焉という一大事でもあった。その喪失感を遡って志ん生の時代から解いていく。決して大所高所から語るわけではなくあくまで自分一個人の視点であることを伝えながらも、自分の中に集約された時代/場所の重みを読者にも意識させる著者。そうしたローカルな側面にこそ芸能、ひいては文化の本義が宿っているとすれば、それが失われた後の状況は形式主義的残滓に過ぎない…のかもしれない。境界を生きる世代の生々しい悲嘆の書。

2018/10/25

タツ フカガワ

2007年に出た文庫の再刊。芸人の評伝では定評ある著者の、落語愛、志ん生・志ん朝愛に溢れる1冊(森卓也氏の解説も素晴らしい)。本書で知った志ん生版「寝床」のスラップスティックぶりや、徳川夢声とのナメクジ問答などは、あの少し甲高い志ん生の声に変換されて蘇り、思わず吹き出しました。

2018/12/04

Inzaghico

小林は好きなものを好きなように書く作家だが、その裏には自分の目で、耳で、何度も確かめてきた、という自負がある。完璧主義者でもあるので、志ん朝の七日連続独演会に一日でも行けないとなると、まったく行かない。こういう人が書いたものは信用する(笑)。 「夏目漱石と落語」の章では、漱石の『猫』に落語の影響が多分に見てとれることを丁寧に説明している。おかしな小説ではあるが、落語が根底にあるとは気づかなかった。

2018/10/22

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