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百けん先生 月を踏む (朝日文庫 く 23-1)

百けん先生 月を踏む (朝日文庫 く 23-1)

百けん先生 月を踏む (朝日文庫 く 23-1)

作家
久世光彦
出版社
朝日新聞出版
発売日
2009-01-09
ISBN
9784022644718
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百けん先生 月を踏む (朝日文庫 く 23-1) / 感想・レビュー

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キジネコ

眠りは、死に近い。冥界は成る程の黄色の霧に染まる黄泉の国。耄碌を虞れ、死を怖れ、債鬼をおそれる百閒先生が、ほのぼのと俗で臆病な中年として描かれます。隠遁する小田原の寺の山家から15の小僧、果林を道連れに遊女通いで晴らした憂さは何だったのでしょう。小説の顛末の都合良さと不条理に足掻く苦しみは夢に見た物語を紙にうつす事情かと独り合点の笑いが浮かびました。未完に終わった残りは彼岸の楽しみに置くことに致します。それにしても才人、久世光彦の鷹揚で心地よい文章、伝説の湯船の様な快適を楽しみました。老いて痴れて又楽し。

2014/11/12

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

内田百けんが身を寄せた寺の小坊主果林から見た「百けん先生」との日々。この物語の中の百けん先生が書いた不思議な小説が、物語の中の現実世界も侵食してしまったようで、和尚も大黒さんも、うどん屋の女将や、娼家の女たちも、皆、百けんワールドの登場人物のような不思議な匂いに包まれている。久世さんが亡くなったために未完のままで終わっているのが残念だが、ぷつんと終わっているのも百けん先生を書いた小説にふさわしい気もする。

2015/05/29

ぐっちー

未完なのが残念だけど、これはこれでいいかも。久世さんの描く百けん先生は文豪というよりお茶目な愛らしいキャラでした。小坊主の果林とのやり取りが面白かった。くすっと笑える日常のすぐ隣に死者の 冥い影が淡く滲んでぞくぞくしました。これは本歌をちゃんと読まねばなりませぬ。

2013/02/27

うりぼう

明代さんの購入本。百閒先生の元を読んでいない私には、面白さが半分も理解できていない。でも、小説や随筆の合間の先生の日常が生き生きとしていて、果林さんとのやりとりを始め、思わずにやっとしてしまう。未完で終ったのが残念。合掌。

2009/10/12

くらげ

百けん先生の作品はエッセイをいくつか読んだことがあるだけですが読む。日常パートでの先生の姿と自分がエッセイを読んで想像する先生の姿がわりと一致していて、ああエッセイ以外の作品も読まなくてはなあ、という気持ち。

2012/09/09

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