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はざまの万華鏡写真館 (KADOKAWA TSUBASA BOOKS)

はざまの万華鏡写真館 (KADOKAWA TSUBASA BOOKS)

はざまの万華鏡写真館 (KADOKAWA TSUBASA BOOKS)

作家
廣嶋玲子
橋賢亀
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-11-08
ISBN
9784041140154
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いつも一緒で仲良しの双子・ミミとナナ。しかし妹のナナは、姉のミミにしか見えない存在だった/はざまの万華鏡写真館③

『はざまの万華鏡写真館』(廣嶋玲子:作、橋賢亀:絵/KADOKAWA)

連写  物心ついた時から、ミミには最高の友達がいた。  双子の妹のナナだ。見た目はミミとうり二つ。でも、ミミよりもちょっと恥ずかしがり屋で、物静かな女の子だ。  ああ、ミミはどれほど妹のことを愛していたことか。ナナのほうも、いつだってミミのことを頼りにし、影のようにミミから離れなかった。  そう。二人はいつでも一緒だったのだ。  だが、そのことを知っている人はいなかった。ナナの姿は、ミミ以外の人には見えなかったから。  妹が幽霊だということにミミが気づいたのは、ずいぶん大きくなってからだ。だが、気づいたからと言って、なにかが変わるわけでもなかった。ミミにとって大切なのは、ナナがそばにいてくれることだったからだ。  幽霊のナナは物を動かすことはできず、声を出すこともない。  それでも、なにも困らなかった。言葉を交わさずとも、ミミにはナナの心が手に取るようにわかる。遊ぶ時は、おもちゃでもなんでも、ナナが望んだとおりにミミが動かせばよかった。 「ミミはほんとにおとなしくて、一人遊び…

2023/11/10

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リューが撮影した写真に写っていたのは、驚いたことに花嫁姿のルリと亡くなったはずの両親、そして…/はざまの万華鏡写真館②

『はざまの万華鏡写真館』(廣嶋玲子:作、橋賢亀:絵/KADOKAWA)

 ふうっと肩の力を抜いて、ルリはイスから立ちあがった。 「現像にはどれくらいかかるのかしら?」 「そうですね。十分ほどお時間をいただければ」 「えっ! そんなに早くできるの?」 「はい。ここは万華鏡写真館ですから」  自信たっぷりに言って、リューはカメラを載せたワゴンを押して、部屋から出ていった。そして、きっかり十分後、ルリのもとに戻ってきた。 「出来上がりましたよ。こちらになります。ごらんください」  そう言って差しだしてきたのは、大きめのサイズの写真だった。  見たとたん、ルリは息が止まるほどおどろいた。  写真の中のルリは、真っ白なドレスをまとっていた。左腕には品のいいブーケをかかえ、髪には銀と真珠をあしらった髪飾りをつけて、幸福に満ちた顔でほほえんでいる。花咲くような美しい花嫁姿だ。  そして、そのルリの後ろには、両親が立っていた。父はタキシード姿で、母はお気に入りだった薄紅色のドレスを着ている。  二人とも、視線はまっすぐ前を向いているが、手はそっとルリの肩において…

2023/11/9

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はざまの万華鏡写真館 (KADOKAWA TSUBASA BOOKS) / 感想・レビュー

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ぶんこ

銭天堂に似た雰囲気と思ったら、同じ作家さんでした。12歳くらいの美しい男の子が主の写真館。お客様の望みをきき、見たままの写真ではなく、今の婚約者ではない人との結婚写真だったり、双子の妹は幽霊だけれど、写真には仲良く写っています。人だったりぬいぐるみ、イチョウの木、結婚詐欺師は最初のお客様ルリの婚約者だったとか。そして男の子リューは、魔女ネイにより助けられて産まれかわった子。ネイが望んだお礼は、将来ネイの子孫が困っていたら助けて欲しいと。68年後現れたレンはネイの子孫だった。このレンの物語が続編でしょうか。

2024/03/15

tan

今年初読書。ゾクッとさせるお話を書かせたらピカイチの廣嶋さん。今回も期待以上の面白さでした。「写真って写しているのは現在なのに撮った次の瞬間には過去のものとなってしまう」にはなるほど!と。話が繋がっている登場人物もいて、ラストはリューの誕生秘話で締められていて飽きのこない出来ばえでした。今後シリーズ化されるのでしょうか?十年屋や魔石館シリーズのどこかにも登場しそうですね。

2024/01/02

こふみ

廣島玲子さんの新作。心の中を見透かされる、撮ってもらいたいような、怖いような写真が撮影できる写真館のお話。不思議な物語の世界に浸れます。

2024/02/23

小梅さん。

廣島玲子さんの新作! 差し込まれた挿画もカラーで綺麗。 必要とする写真を撮ってくれる不思議な写真館。 主が少年リューというのも雰囲気があっていい。 1話目があたたかな感じだったので、そういう雰囲気なのね、と思ったら、そうとばかりはいかないのが廣島玲子さん。 2話目のシャロくんは、きっとそうだと思っていた。 こういう予想が当たるとなんだか嬉しい。 イン氏の話はまったく想像できなかった。 ああいうの大好き。 リューが写真館の主となる経緯が語られる最終話も美しい。ぜひともシリーズ化してほしい。

2024/02/12

カール

こちらもまた新しいシリーズになるのかしら。不思議な写真館が舞台です。「ポートレート」の主人公は意外なお客様。思い合うのは、必ずしも人同士とは限りませんね。だってリューの正体も。

2023/12/20

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