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姉飼 (角川ホラー文庫 123-1)

姉飼 (角川ホラー文庫 123-1)

姉飼 (角川ホラー文庫 123-1)

作家
遠藤徹
出版社
KADOKAWA
発売日
2006-11-10
ISBN
9784043838011
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姉飼 (角川ホラー文庫 123-1) / 感想・レビュー

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キャプテン

★★★★☆_「暗く黒い夜の底からフェア」第六弾。頭に絵が浮かばないことが、こんなにおそろしいとは。「姉を飼うのが夢だった。串刺しになった姉を」という書き出しの『姉飼』。とにかく頭に絵が浮かばない。自己防衛的に浮かべるのを拒否しているような気もする。浮かんでしまっては、あまりにもおそろしい絵面になる言葉だから。新しい色を作ろうとして、絵の具を混ぜ合わせて、どこか上手くいかなくて、また色を足して、また足して、そしていつの間にか単なるドロドロとした黒色になってしまうような、どこまでも行き場のないものがたり四編。

2017/09/11

Bugsy Malone

祭りの夜店で売られている串刺しにされた「姉」。少年時代に「姉」を見かけた主人公は「姉」を飼うことに狂おしいまでに憧れる。4編共その答えのない不条理さにぐいぐいと引き込まれ、心を掴んで離してはくれない。それだけに 表題作「姉飼」と「ジャングル・ジム」のある程度の予想がついてしまうラストが惜しまれて仕方が無い。しかし4編に共通する、ボンと物語に放り込まれそしてそのまま放り出される感覚は、癖になりそうだ。

2016/06/12

いちろく

紹介していただいた本。さて、どうしようか?本の感想は思った事を書くようにしている。だからこそ、縁日で売られている串に貫かれた「姉」の物語を読んでも、恐怖も感じず、嫌悪感も感じず、著者の創作として淡々と受け入れている私が居た、と書くしか無い。正確には、トンデモナイ日常が基準になっている物語なのか?とページを捲ったと。加えて、ぶっ飛んだ発想に、唖然として笑ってしまった箇所もある。だって、蚊吸豚に脂祭りだよ?著者の紡ぎ出す個性的な世界観を受け入れて物語として楽しめば良い、と受け取りました。そんな4篇の短編集。

2019/01/19

みや

不可思議な商品が人間を惑わすホラー短編4作収録。祭りの屋台で体を串刺しにされて『姉』たちが売られているという表題作の設定だけで、もう面白い。盛り上がりは少なく、淡々と物語は進んでいくのだが、その地味で陰鬱な雰囲気がたまらなく気持ち悪くて心地よい。欲望と狂気に憑りつかれ、ただひたすらに『姉』を求め続ける主人公の姿は、正に純愛だった。薄気味悪くて切なくて、とても好き。多くの虫と蜂に果樹園が崩壊させられていく「妹の島」も、グロテスクな死体が芸術的で良かった。設定が魅力的な作家さんだったので、他もぜひ読みたい。

2018/01/05

いろは

再読本。短編4作全部がグロくて気味悪い。自分の持っている倫理観は何なんだ?と思わされる作品。以前読んだ時は、屋台で売られている「串刺しの姉」に堕ちていく『姉飼』がダントツ印象に残ったけど、今回は『ジャングル・ジム』。ジャングルジムを擬人化させるなんて、よくこんな設定思いつくなぁと。人の悩みを聞き、子どもたちを見守り、何だかイケメン風のジャングルジム。が、そうなるのかー!と切なくなりました。作品も衝撃的だけど、作者が大学教授なのが一番びっくり。★★★☆☆

2021/12/31

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