ピタゴラスと豆 (角川ソフィア文庫)
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ピタゴラスと豆 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
こほ
晩年の随筆集。面白かったー!腑に落ちる話もあれば身につまされる話もヒントを貰える話もあって何より単純に楽しい、何度も声出して笑ってしまった。と同時に泣けるような感覚にもなる。理系脳ですぐ観察するし数値化するし娘にメモ取らせて統計取るし、でも文章や表現には詩があって胸に響く。「すべては時の函数」「見るのは芸ではなくして活きる力」「『こく』のある退屈さ」等々。漱石先生大好きなんだなーというのも端々から伝わってきてぐっときた。芥川は百閒先生の山高帽が怖かったんだって!関東大震災の記録が圧巻。解説もありがたい。
2023/08/16
ロデタ
図書館本。晩年に書いたものが収録してある。震災日記に関東大震災にあった時の様子が書かれているが、自分のいる建物が大丈夫だと見極めると、学者らしく揺れの様子を観察している。文章から受ける印象が妙に冷静なので奇異に感じる。本の内容とは関係ないが「天災は忘れた頃にやってくる」は寺田寅彦による言葉だということをつい最近知った。
2022/09/04
黒猫
【図書館本】 初・寺田寅彦。夏目漱石門下の1人である物理学者が晩年に発表した作品の随筆集。 専門的な物理な話ばかりではない。 日常生活からの着眼点が面白くて、表題からとてもかけ離れた話題にさらりと変えるのに違和感を抱かせない文章力が凄い。 他の作品も読んでみたいと思った1冊。
2022/01/19
mft
名前だけ知っていて読んだことがなかったので題名が面白そうな一冊を手に取ってみたら、最晩年の随筆集だった。確かに読ませる文章なのだが、内容はとりとめない、という印象(『自由画稿』のはしがきが内容のまとめのよう)。「哲学者列伝」はそのうち読みたい
2021/11/04
surucucu
関東大震災の1週間前から始まる「震災日記より」はこれだけでも読む価値があるのではないだろうか。 角川源義、鎌田浩毅2名の解説が合わせて23頁ありこれもなかなか面白い。その解説にあるように寺田寅彦の科学教育への思いが滲み出た作品が多く、今読んでも「おっしゃる通り」と呟いてしまう。
2020/11/30
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