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二階の住人とその時代 転形期のサブカルチャー私史 (星海社新書)

二階の住人とその時代 転形期のサブカルチャー私史 (星海社新書)

二階の住人とその時代 転形期のサブカルチャー私史 (星海社新書)

作家
大塚英志
出版社
星海社
発売日
2016-04-26
ISBN
9784061385849
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二階の住人とその時代 転形期のサブカルチャー私史 (星海社新書) / 感想・レビュー

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ころこ

『コクリコ坂から』の舞台となった場所とあるようにジブリ関係者が多く、そっかこれ『アニメージュ』だと途中で気づき、様々なコンテンツの源流は実は同じだったということに驚きます。そこにいた著者の嗅覚は素晴らしいし、詳しい内容は知識として忘れても、この世界の体験として読む意義はあります。当時、彼らの文章や原稿は手書きです。ITはありません。不衛生で雑駁な雰囲気の中でも、著者が全面的に肯定したい80年代のレベルの高さに、人間の想像力の力強さを感じます。

2019/09/08

阿部義彦

分厚い新書です。表紙の吾妻ひでおのイラスト目当てで購入。1978年今は無き徳間書店二階の第二編集局でバイトとして働き始めた著者の回顧録。アニメージュの話題が多くヤマト、ルパン、ラムちゃん、ガンダム、マクロス、クリーミィマミ、そして何よりもナウシカ!私の苦手なアニメの話題が多いのですがあくまでも本書での眼目は人間関係であり人の来し方行き先で、あるので自分より3つ年上でアニメよりも少女漫画の洗礼を色濃く浴びた著者の描いたアドレっセンス、後半のセルフ出版との関わりや漫画家なにわ愛との出会いなどあの時代ならでは。

2016/06/16

かみしの

青春の書だった。『アニメージュ』を中心とした徳間の二階に集まった人間たちのスケッチ。全共闘世代との距離感、ヤマトではなくナウシカを選んだ『アニメージュ』、尾形やアニメーター・編集者との思い出、89年に訪れた終わり……。その場にいた人間による90年に入るまでの製作者側のおたく通史として、面白い一冊。沢田ユキオ(ぼくの中ではスーパーマリオ君の人)と大塚が友人だったり、プレヴェール脚本のアニメがあったり、あまりアニメに詳しくないぼくも面白いと思える情報盛りだくさんだった。最後の文章に涙したのは内緒だ。

2016/05/29

コリエル

大塚英志による80年代サブカルチャー私史。ジブリが発行している雑誌で連載されていたことと、大塚当人が80年代前半をアニメージュに関わりながら過ごしたことがあり、その内容は徳間書店アニメージュ編集部員たちを中心に語られている。大塚よりも2回りは下の自分からすると彼は角川の住人という印象だったのだが、その前身としてなかなか濃い青春を過ごしていたのだなあと。声優のアイドル化やアニメ制作者のスター化など、アニメージュ創刊頃に既に現在と変わらない状況か生まれており、ある種ループをしているんだなと感じたりもした。

2016/07/26

富士さん

『アニメージュ』を通じて80年代のオタク史をダイナミックに描き、日本の文化史と接続する見事な仕事です。著者が書くべき、著者でないと書けないものだと思います。ただ、本書が多様で豊かで自由で熱かったオタクが、あるべき型をあたえられ、正しく学び活動するエスタブリッシュ化していくある種の盛衰史になっていることには注意が必要です。岡田斗司夫さんもそうですが、原オタクは多分に自時代中心主義者であるように思います。90年代にも、そして60年代にも本書のような本が書かれるべきだし、書くことができると思うのですが。

2021/07/29

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